索引

  さ        英字・記号

さ行

 用語読み方解説
サーフェイサーサーフェイサー塗装工事に使われる下塗り剤の一種。細かな傷を埋め、仕上げ面のムラを抑える効果を持つ。
載荷試験さいかしけん地盤・構造物・部材などに一定の荷重を加えて、変形や破壊状況などの影響を調べる試験。
材工ざいこう材料と工事(労務)を一緒にまとめて扱うこと。見積り金額や、工事の請負形態を示す時によく使われる表現。
細骨材さいこつざいコンクリートの素材のうち、砂利(じゃり)や砂を指す「骨材」の中で、粒の小さいもの。10mmふるいをすべて通過し、5mm以下のものが重量で85%以上含まれる骨材を指す。
さいころさいころ鉄筋コンクリート工事で鉄筋の位置やかぶり厚の確保に用いるスペーサーの一種。四角いモルタル製のブロックで、その形から「さいころ」や「キャラメル」と呼ばれる。「さいころ」には、プラスチック製のものもあり、テーブル状やX字状など変則的な形で複数パターンの寸法に対応できるものが多い。
在来工法ざいらいこうほう従来からある工法を、比較的新しい工法と比較して用いる表現。
<在来工法で表現される例>
◆場所打ちコンクリート(⇔プレキャストコンクリート)
◆ボルト吊りの一般的な軽鉄天井下地(⇔角スタッド工法、耐震天井)
◆木造軸組工法(⇔ツーバイフォー、プレハブ)
材料拾いざいりょうひろい図面から施工範囲を読み取り、必要な材料の種類・数量・寸法などを調べること。
材齢ざいれい①コンクリートやモルタルの施工後の経過日数・養生日数のこと。
②木材における樹齢。
逆打ち工法さかうちこうほう山留め壁の支持工法のひとつ。山留め壁を形成した後、建物本体の1階部分を先に施工し、その床を支保工として土圧を支え、そのまま地下階の梁を支保工として順次掘り下げていくもの。一般のコンクリート打設と順序が逆になることから、この名があり、「リバース工法」とも呼ばれる。地上の躯体も同時に進められることから工期短縮のメリットもある。大規模・大深度の現場に向いている。
下り/
下り壁/
下り天井
さがり/
さがりかべ/
さがりてんじょう
壁の上部が天井沿いに手前側に出っぱった構造。側面を「下り壁」、下面を「下り天井」、両方を総称して「下り」と呼ぶ。(側面・下面の両方をまとめて「下り壁」または「下り天井」と呼ぶ場合もある。)
躯体の梁の一部や、配管・シャッター格納スペースを覆うためのものが多い。間接照明や折上天井のうち、垂直部を区別して「下り」と表現することもある。
左官/
左官工事
さかん/
さかんこうじ
モルタル・漆喰・珪藻土などを鏝(こて)で塗り整える工事の総称。水で溶いた材料を使うことから、「湿式工法」にあたる。
先付けタイル仕上げ工法さきづけタイルしあげこうほうタイル張りのうち、コンクリートの型枠に先付けする工法。型枠の内側にタイルを仕込んでコンクリートを打ち、硬化後に型枠を取りはずす。コンクリートとタイルが初めから一体化するため、はがれにくいのが特徴。タイルの大きさや種類に合わせて、「タイルシート工法」・「目地ます工法」・「桟木法」などがある。
作業手順書さぎょうてじゅんしょ作業の安全性・正確性・効率性を高めるため、あらかじめ作成される手順書。使用機材、人員配置、作業方法などが具体的にまとめられ、作業関係者に周知される。
作業床さぎょうゆか主に高所作業において、作業者や資材・機材を載せるスペースを指す表現。
酢酸ビニル樹脂/
酢ビ
さくさんビニルじゅし/
さくビ
酢酸とビニルの化合物で、接着剤や塗料のベースとして使われる。現場では「酢ビ」と略されて呼ばれることが多い。
座屈ざくつ部材に圧縮荷重をかけた時、ある値から急激に変形が進み、大きくたわむ現象。形状が長くなるほど発生しやすい。
下げ振りさげふり糸の先に円錐形の錘(おもり)をつけた工具。垂直性を調べるのに用いる。
ささら階段の段部(蹴込・踏面)の脇に回される巾木状の板、または段部周辺の壁面を指す表現。現場の屋内階段では、段部に合わせて「ソフト巾木」を稲妻型に張ったり、専用の「ササラ巾木」を張って仕上げることが多い。
指矩さしがね直角のL字形をした物差しのこと。表裏で異なる寸法がふられており、表面の寸法に対し、裏面はその平方根になっている。「矩尺(曲尺)」(かねじゃく)とも呼ばれる。
SUSサス鉄とクロムの合金で錆びに強い「ステンレス」の別称。分類記号が「SUS」で始まることに由来する。
サッシ/
サッシュ
サッシ/
サッシュ
窓枠のこと、またそこから転じて、窓枠の付いた建具のこと。
雑費ざっぴ見積りなどにおいて、項目に分類することが難しいものや、分類する程ではない細かなものを、一式にまとめた表現。
サブコンサブコン「sub contractor」の略で、建設業の下請会社を指す言葉。ただし、ゼネコンの下請会社の中でも、特定分野においては設計から施工まで1社でまかなえる、比較的規模の大きな会社を指すことが多い。
三六/
3×6
さぶろく板状の材料の寸法で 3尺×6尺 を示す表現。1尺が約303mmなので、910×1820mm となる。一般的な畳の寸法にあたり、石膏ボードや合板の最もスタンダードなサイズ。
ZAMザム溶融亜鉛めっき鋼板の派生品として、亜鉛層にアルミニウム6%・マグネシウム3%を加えることで、サビへの強さをさらに上げたもの。軽鉄工事などにおいて、ステンレス材のVE品として、水廻りに用いられる。耐食性能・材料価格ともに、概ねステンレス材と軽鉄材の間ぐらいの位置づけ。「ZAM」は日新製鋼の商品名。ほぼ同様の製品として、新日鉄住金の「スーパーダイマ」がある。
サムターンサムターンドアの鍵の室内側に付いている、つまんで回すことで施錠・開錠するパーツのこと。
桟木さんぎ木製の角材全般を指す表現。主なものは下記の通り。
①資材を置く際に並べる下敷き
②コンクリートの型枠パネル廻りの固定
③屋根の瓦の固定
④障子の格子状の骨組み
桟木法さんぎほうタイル張りのうち、コンクリートの型枠に先付けする工法のひとつ。型枠の内側に桟木を取り付けてタイルを仮止めし、コンクリートを打ち、硬化後に型枠を取りはずす。コンクリートとタイルが初めから一体化するため、はがれにくい。ユニット化するとかえって手間になるような大型のタイルに向いた工法。
散水養生さんすいようじょうコンクリートの表面に水をまいて湿潤に保つこと。コンクリートを硬化させる「水和反応」に必要な水分が蒸発してしまうことを防ぐために行う。ただし、あらかじめコンクリートに配合された適正水分量を変化させないよう、コンクリートの表面がある程度硬化してから行う。
サンダーサンダー研磨につかう「やすり」のことで、現場ではほぼ小型の電動サンダー(ベビーサンダー)を指す。回転式のため、付ける刃によっては切断作業にも使うことができる。「ディスクグラインダー」とも呼ばれる。
三丁掛けタイルさんちょうがけタイル寸法が90×227mmのタイルのこと。「小口タイル(60×108mm)」3枚分に相当するサイズであることから、この呼び名がある。
三面接着さんめんせっちゃく目地部をシーリングする時に、シーリング材を相対する2面の他、目地底にも接着させること。伸縮などの動きが想定されない目地部で採用される。目地底に接着させない場合は「二面接着」と言う。
三役さんやく現場において重要かつ長期に渡って携わる職種を、相撲の三役(大関・関脇・小結)になぞらえて呼ぶもの。一般的には躯体三役として「鳶・鉄筋・型枠」を指すことが多いが、「土工・鉄筋・型枠」や「鳶・鉄筋・大工」など現場によってその編成が若干異なる。
仕上げ/
仕上げ工事
しあげ/
しあげこうじ
躯体の完成に続き、建物を住環境として整えていく工事。具体的な工種は、造作大工・左官・板金・石・タイル・スレート・カーテンウォール・サッシ・ガラス・防水・断熱・軽鉄(LGS・鋼製下地)・ボード・クロス・塗装・床など多岐にわたる。現場の工程は、「躯体工事」・「仕上げ工事」・「設備工事」の3つに大きく分けられる。
仕上げ材しあげざい建物の外装・内装で目に見える部分に使用される材料のこと。
外装では石・タイル・スレートなど、内装では化粧板・クロス・床(カーペット・床タイル・床シート・フローリング)などがある。
仕上げ表しあげひょう建物の場所ごとに、仕上げ材およびその下地など関連材料を一覧にまとめた表。通常、外装の「外部仕上げ表」、内装の「内部仕上げ表」に分けてまとめられる。
シアコネクター/
シヤーコネクター/
シャーコネクター
シアコネクター/
シヤーコネクター/
シャーコネクター
部材同士を接合して一体化するのに使う金具のこと。接合する部材によって、ループ状・かすがい状・頭付きスタッド状など様々な種類・形状のものがある。
シージングボードシージングボード①インシュレーションボード(木質繊維板)に、耐水剤を塗布し、防水性を高めたもの。防音・調湿・断熱性能にも優れており、主にモルタルやサイディング外壁の構造下地材として使われる。
②耐水石膏ボード(防水石膏ボード)のこと。主にキッチンやトイレなど、屋内の水廻りの壁・天井に使われる。
Cチャンシーチャン断面がC型のチャンネル材のこと。
軽鉄では一般的に、軽鉄天井下地の野縁受けとなるチャンネル材を「(サンパチの)Cチャン」と表現する。
シートパイルシートパイル両端に継ぎ手を設けた溝型の鋼板。継ぎ手部分をつなげて、連続面を形成することができ、土留めや護岸工事などに利用される。「鋼矢板(こうやいた)」とも呼ばれる。
シート防水シートぼうすい防水工事の工法のひとつ。合成ゴムや合成樹脂のシート材を、接着剤などで下地に張って、防水層を形成するもの。「アスファルト防水」に比べ、工期が短縮でき、防水層の厚みや性状のバラツキが少なく、シートの柔軟性から下地のクラックなどに強いのがメリット。ただし一方で、曲面などの複雑な形状に対応しにくく、シートの継ぎ目に不具合が生じやすい。
シート養生シートようじょう資材をブルーシート等で覆って、水濡れ・ほこり・損傷などから保護すること。
GBジービー石膏ボードを表す略号。英語表記「ジプサムボード」(gypsum board)の略。JIS規格で、種別ごとに下記の略号が規定されている。
 GB-R … 標準の石膏ボード
 GB-S … シージング石膏ボード(耐水石膏ボード)
 GB-R-H … 普通硬質石膏ボード
 GB-F … 強化石膏ボード
 GB-D … 化粧石膏ボード
 GB-NC … 不燃積層石膏ボード
 GB-P … 吸音用 穴あき石膏ボード
 GB-L … 石膏ラスボード
 GB-St-A・B … 構造用石膏ボード
 GB-R-Hc … 吸放湿石膏ボード
 GB-D-Hc … 吸放湿化粧石膏ボード
シームシーラー/
シーム液
シームシーラー/
シームえき
ビニル床シートの継ぎ目部分の溶着に用いる接着剤。「クッションフロア(クッションシート)」に使われることが多い。
シーラーシーラー塗装やクロス工事に使われる下塗り剤の一種。塗料や接着剤の密着性を向上させることができ、さらに、吸収性の高い下地に対して吸い込みを抑えたり、アクが出やすい下地に対して仕上げ面への染み出しを抑える効果を持つ。名称は、「塞ぐ」ことを意味する英語「seal」に由来。
シーラントシーラントシーリング(シール、コーキング)に使う材料のこと。
シーリング/
シール
シーリング/
シール
気密性や水密性の確保のため、部材の隙間や目地にペースト状の材料を充填(じゅうてん)すること。「コーキング」とも言う。
JVジェーブイ/
ジェイブイ
「ジョイントベンチャー(Joint Venture)」の略称で、複数の建設業者が共同責任で工事を請け負うこと。単独では困難な大規模工事への対応や、業者ごとの得意分野を持ち寄るといった対応が可能となる。和訳は「共同企業体」。
Jw_CADジェイダブリュー・キャド無料で使えるCADソフト。Windows向けに開発が続けられており、高額なCADソフトにも見劣りしない利便性を備え、多くのユーザに支持されている。有志によって様々な拡張機能が作り出されネット上に蓄積されており、フリーソフトならではの価値を高めている。
ジェット仕上げ/
ジェットバーナー仕上げ/
ジェットポリッシュ
ジェットしあげ/
ジェットバーナー仕上げ/
ジェットポリッシュ
石工事の仕上げ方法のひとつ。石の表面をバーナーの炎であぶり、石の結晶をはじけさせて、自然な岩肌のような目の粗い仕上げ面を作るもの。
塩吹きしおふきコンクリート面やモルタル面に結晶状の白い物質が発生する現象のこと。コンクリート構造物の強度には問題なく、物質も無害であるが、外見上の問題となることがある。コンクリートやモルタルの内部に侵入した水分が蒸発する際に、石灰分などの成分が表面に染み出して固まったり、もしくは空気中の二酸化炭素と反応して固まったもの。「エフロレッセンス」・「白華(はっか)」・「擬花(ぎか)」・「鼻垂れ」とも呼ぶ。
直天/
直天井
じかてん/
じかてんじょう
屋根や天井スラブ面を露出させた形で、そのまま天井面とするもの。構造上、設備類が露出する他、防音や断熱の性能が低くなりやすいので、相応の配慮が必要。
直張じかばり①下地を組まず、躯体に仕上げ材を直接張ること。
②ボード張りにおいて、捨張をせずに1層だけで張ること。捨張する場合に比べて、強度が低くクラックなどの不具合が起こりやすいが、コストや重量を抑えることができる。
敷居しきい襖(ふすま)や障子(しょうじ)などでレールの役割をしている下側の枠のこと。上側のレールにあたる「鴨居」と対になっている。
敷目板しきめいた①目透しの板張り仕上げで、メインとなる羽目板の継ぎ目部分の裏に張る細い板。
②乾式の耐火・遮音壁で使われることがある、細くカットした石膏ボード。スタッドとボードの間に挟むことで、遮音性を高める効果がある。大手メーカーの吉野石膏が「敷目板」と呼んでいるもので、チヨダウーテでは「石膏ボードスペーサー」と表現されている。
地業じぎょう(ちぎょう)建物を支えられるよう、地盤に対して行う基礎工事の総称。地盤が弱い場合は、杭工事などにより改善が図られる。
治具じぐ部材の加工や組立て作業に対して、効率・精度・安全性などを高めるために作られるガイド器具の総称。同一形状のパーツを大量に作る場合に有効となる。工具の位置合せなどを意味する英語の「jig」に由来しており、漢字は当て字。
仕口しぐち/
しくち
部材の接合形式の一種。2つの部材を、角度のついた形で接合するもの。
地組みじぐみ鉄筋や鉄骨の作業において、部材を地上で仮組みしてから本来の位置に移すこと。
支持杭しじぐい建物の荷重を地盤に伝えて安定させる「杭(杭基礎)」のうち、支持層となる固い地盤まで杭を到達させて支えるもの。
支持層しじそう地盤において、建物の荷重を支えるために十分な強度を持つ層のこと。
自社便じしゃびんメーカーや商社が資材を納品する手段のうち、自社トラックに代表されるような独自の配送便のこと。対義語は、一般の配送物と混載になる「路線便」(宅配便)。
JIS材/
JIS規格品
ジスざい/
ジスきかくひん
JIS規格(日本工業規格)に適合している製品のこと。形状や成分などが規定されているため、安定して品質を確保できる。多くの部材にJIS規格が存在し、建設分野においても安全性などの観点からJIS規格品が多く用いられる。
システム天井システム天井軽鉄下地とボード材から成る乾式工法の天井の一種。フレームやボード材が設備開口と共にグリッド(格子)状やライン状のパターンで定形化されているのが特徴。大面積のスペースを整然と納めるのに向いており、大規模なオフィスビルに使われることが多い。
地墨じずみ捨てコンや床スラブ面の上に打つ墨の総称。各種工事の位置合わせの基準となる。
下請(下請負)したうけある業者が請け負った仕事の一部を、別の業者が請け負うこと、または一部を請け負う業者自体のこと。日常シーンでは、請負の上下関係の意識を和らげるため「協力会社(協力業者)」という呼び方が広まっている。
下地したじある工事のベースとなる素地面や部材の総称。たとえば、クロスや塗装から見ると、対象となるボード面などが下地にあたる。また、さらにそれらボード面から見ると、骨組みである軽鉄や木材が下地となっている。
下敷きテープしたじきテープクロス工事の副資材。継目部分で、両側のクロスを合わせるため重ね切りする場合に、カッター類で下地面まで傷つけないよう、下敷きとなって保護する役割を持つ。糊付け機にセットすると、糊付けと同時にクロスの端部にテープが付けられる。
下端したば最下部のこと。
漆喰しっくい主成分の消石灰に、砂・植物繊維・海藻成分などを加えて練りこんだ塗り壁材。日本の城や土蔵の壁面に代表される、白く平滑な仕上がりが特徴。着色もでき、塗り壁の他、瓦や石の接着・目地充填など広く使われる。
シックハウス症候群シックハウス症候群主に新築の建物で起こる、体調不良(倦怠感・めまい・頭痛・湿疹・のどの痛み・呼吸器疾患など)のこと。原因としては、接着剤や塗料に含まれる「ホルムアルデヒド」等の化学物質が挙げられる他、カビや微生物も関係しているとされる。
実行/
実行予算
じっこう/
じっこうよさん
工事における予定原価のこと。工事内容に対して、材料・労務・揚重・物流・残材処理などの必要コストから計算する。請負金額と実行金額の差が予定利益となる。
湿式工法しっしきこうほう水を使って施工する方法。必然的に乾燥硬化の工程を含むため、相応の工期を考慮する必要がある。材料が不定形であることから、継ぎ目ない面を作り出したり、複雑な形に対応・追随できるメリットがある。
湿式:鉄筋コンクリート ⇔ 乾式:軽鉄下地+石膏ボード
湿式:ロックウール吹付け ⇔ 乾式:巻付け耐火被覆材(マキベエ)
地盤アンカーじばんアンカー山留め壁の支持工法のひとつ。鋼材を岩盤に固定し、その緊張力で山留め壁を保持する。不安定な場所や、幅広な場所の掘削等で、通常の切梁が設置できない場合に有効。別称として、「アースアンカー工法」、「グラウンドアンカー工法」、そして単に「アンカー工法」と呼ばれることもある。
ジブクレーンジブクレーン旋回可能なアーム(ジブ)を持つクレーンの総称。タワークレーンのように据えつけるタイプから、クローラークレーンやラフタークレーンのような走行できるタイプまで様々なものがある。
支保工しほこう上または横からの荷重を支えるために用いる仮設構造物の総称。型枠の支持に用いるパイプサポートや、山留め工事の切梁などが代表的。
弱電じゃくでん電気的な信号を伝えたり、その信号で機器類を制御すること、およびそのための設備のこと。具体的には、電話やインターネット回線、テレビ受像配線、制御系配線廻りを指す。対義語は、電動機器の動力源としての電気の供給に関わる「強電」。
尺角しゃっかく一辺が一尺(303mm)の正方形のこと。手頃な大きさであることから、材料のカットサンプルのサイズなどによく使われる。
ジャッキベースジャッキベース枠組足場の下端に据えつけるパーツ。地面の凹凸に合わせて高さが調節できるようになっている。
シャフトシャフト建物をタテ方向に貫通しているスペースのこと。エレベーター昇降路の「エレベーターシャフト」や、配管経路の「パイプシャフト」などがある。
ジャンカジャンカコンクリートの欠陥のひとつ。コンクリートが十分に行き渡らず、隙間が空いた状態で硬化したもの。「あばた」や「巣」とも呼ばれる。(表面的で小さなものを「あばた」・「巣」、内部まで及ぶような大きなものを「ジャンカ」と言う傾向がある。)
収縮目地しゅうしゅくめじ構造物を意図的に分割して継ぎ目を設け、充填材などで伸縮性を持たせた目地のこと。地震や熱膨張・収縮といった変化による破損を抑える。「伸縮目地」とも呼ばれる。
主筋しゅきん組み上げられる鉄筋の中で、文字通りメインの役割を担う鉄筋。軸方向の力(柱の垂直方向の力、梁の水平方向の力)や、曲げの力を負担する。
樹脂アンカーじゅしアンカーアンカーボルトの一種で、接着剤によってボルトや鉄筋を固定するもの。
コンクリートや岩盤面にドリルで穴を開け、粉塵を清掃した後、カプセル状のアンカー材を穴に入れ、先端を斜めに切ったボルトや鉄筋を打ち込むとカプセルが破れて接着剤が充填される仕組み。なお、接着剤をノズルで直接注入する方式もある。「接着系アンカー」、「ケミカルアンカー」とも呼ばれる。
受電じゅでん建物が本設の設備で電力会社からの電気供給を受け始めること。
主任技術者しゅにんぎじゅつしゃ工事を請け負う業者が、現場における施工の技術上の管理をするために置く技術者のこと。建設業法で設置条件や、必要な資格や実務経験が定められている。
主要構造部しゅようこうぞうぶ建築基準法による定義で、壁・柱・床・梁・屋根・階段を指す。間仕切・間柱・最下階の床・基礎・小梁・庇(ひさし)・局部的な小階段・屋外階段などは含まれない。
竣工しゅんこう建物が完成し、工事が終了すること。「落成」・「完工」も同じ意味。
準不燃材料じゅんふねんざいりょう建築基準法と関連政令で定める準不燃の条件を満たし、国土交通省の大臣から認定されている材料の総称。不燃性能に関する3段階のランク「不燃」・「準不燃」・「難燃」の中で2番目にあたる。
準不燃の条件は概ね次の通り。
(1) 通常の火災の火熱が加えられた場合に、10分間は燃焼しないこと。※
(2) 防火上有害な変形などの損傷を生じないこと。
(3) 避難上有害な煙・ガスを発生しないこと。(外部の仕上げは対象外)

※「不燃」では(1)の規定時間が20分間、「難燃」では5分間となる。
ジョイナージョイナーボード状の材料を張る工事で継ぎ目部分に用いる目地材。樹脂製やアルミ製のものが多い。
ジョイントベンチャージョイントベンチャー複数の建設業者が共同責任で工事を請け負うこと。単独では困難な大規模工事への対応や、業者ごとの得意分野を持ち寄るといった対応が可能となる。「JV」と略して呼ばれることが多い。和訳は「共同企業体」。
上代じょうだい定価のこと。実際の取引価格(仕入れ値・卸値)を指す「下代」と対の表現。
上棟じょうとう建物の躯体部分が完成すること。工程上の大きな節目のひとつであり、躯体工事に続く仕上げ工事が加速していくことになる。
消検(消防検査)しょうけん(しょうぼうけんさ)建物の耐火区画や消火設備など消防関係の安全性を確認する検査。所轄の消防署が行う。
常用じょうよう出来高ではなく労働時間・日数に応じて賃金を支払う方式のこと。一般的には、1日あたりの賃金を取り決めを指すことが多い。
職方しょくかた手作業で物を作る技能者の総称。建設現場では、建物を造り上げる各工種の技能者を指す。「職人」とも呼ばれる。
職長しょくちょう職人のリーダー。通常は、工種ごとや下請会社ごとに設けられ、配下の職人の指導を行う。労働安全衛生法により、安全又は衛生のための教育を所定の時間以上受けることとなっており、「職長・安全衛生責任者教育」がこれにあたる。
職人/
職方
しょくにん/
しょくかた
手作業で物を作る技能者の総称。建設現場では、建物を造り上げる各工種の技能者を指す。「職方」とも呼ばれる。
諸経費しょけいひ見積りなどにおいて、純粋な工事費の他にかかる現場管理費(現場でかかる経費)と一般管理費(会社事務所や営業活動などでかかる経費)のこと。事業の維持に利益も、ここに含んで表現することが多い。
ショットブラストショットブラスト鋼材などの表面に細かな金属粒子を吹き付けて加工すること、またはそれに用いる電動工具。表面のサビ・汚れ落とし、塗装のための下地処理などに使われる。
シリカセメントシリカセメント混合セメントの一種。天然のシリカ質混合材を混合したもの。耐薬品性に優れる。耐薬品性を必要とする用途に使用されていたが、現在はほとんど生産されていない。
自立山留め工法じりつやまどめこうほう山留め壁の支持工法のひとつ。と言っても、山留め壁を支持せず自立させるもの。浅い掘削向け。支保工などを使わないため障害物が無く、作業効率に優れる。多段構造にしたものは「段逃げ山留め工法」と呼ばれる。
尻に火が付くしりにひがつく納期などのリミットが迫り、焦った状態のこと。「ケツに火が付く」とも言う。
尻をまくるしりをまくる急に物腰を変えて、威嚇するような態度に出ること。居直ること。乱雑に着物の裾をまくって座り込む様子に由来する言葉と言われる。「ケツをまくる」とも言う。
尻を割るしりをわる約束した仕事を途中で投げ出し、逃げること。「ケツを割る」とも言う。
シルトシルト砂より細かく、粘土よりは粗い土のこと。
白糊しろのり床張りのように多種類の接着材を使い分ける工事において、特殊性のない一般工法に用いる接着剤の通称。合成ゴム系・アクリル樹脂系・酢ビ系などの接着剤で、白系統の色をしていることから、この名で呼ばれる。
芯/
しん中心のこと。基準となる中心線を示す「通り芯」といった表現で使われる。
Sバー/
シングルバー
シングルバー軽鉄の天井下地を構成するパーツのひとつ。表面の天井ボードを留め付けるためのバー材「Mバー」のうち、幅の狭いもの。天井ボードの中間部分の留め付けに用いる。反対に幅の広いものは「Wバー」(ダブルバー)と言い、天井ボードの継目部分の留め付けに用いる。
伸縮目地しんしゅくめじ構造物を意図的に分割して継ぎ目を設け、充填材などで伸縮性を持たせた目地のこと。地震や熱膨張・収縮といった変化による破損を抑える。「収縮目地」とも呼ばれる。
芯々/
心々/
真々
しんしん部材間隔の計測方法のひとつで、部材の中心同士の寸法のこと。部材の内側同士の寸法は「内法(うちのり)」や「内々(うちうち)」、外側同士の寸法は「外法(そとのり)」や「外々(そとそと)」と呼ばれる。
シンダーコン(シンダーコンクリート)シンダーコン(シンダーコンクリート)軽量コンクリートの通称。現在主流である人工の軽量骨材の前身として、昔は炭ガラ(cinder)が普及していたため、その名残で現在もしばしばこの名で呼ばれている。
⇒ 軽量コンクリート
新丁場しんちょうば建設工事の形態を示す表現で、大手住宅メーカーと下請業者による分譲住宅系の現場を指すもの。「野丁場」・「町場」という従来からの区分に対して、新たに出てきたことからこの名がある。
振動ドリルしんどうドリル振動を加えながら回転するタイプのドリル。コンクリートや石など硬質の材料に10mm程度までの小さな穴を開ける場合に使う。
塵肺じんぱい粉塵(ふんじん)や微粒子を長期間吸引することで起きる肺の病気の総称。咳・痰・呼吸困難などの症状が起き、特にアスベスト(石綿)のように肺ガンのリスクを伴うこともある。
コンクリートの欠陥のひとつ。コンクリートが十分に行き渡らず、隙間が空いた状態で硬化したもの。「あばた」や「ジャンカ」とも呼ばれる。(表面的で小さなものを「あばた」・「巣」、内部まで及ぶような大きなのものを「ジャンカ」と言う傾向がある。)
随契(随意契約)ずいけい(ずいいけいやく)競争入札をせずに、業者と請負契約を結ぶこと。発注者都合で任意に業者を選定するケース(特命)、入札を募る期間ない緊急のケース、金額がごく少額で入札を募る程でないケースなどがある。
水硬性すいこうせい水と結びついて硬化する性質のこと。コンクリートやモルタルを固めるセメントが代表例。
水準器すいじゅんき物体の傾斜や角度を計測する器具。「水平器」や「レベル」とも呼ばれる。
水平切梁工法すいへいきりばりこうほう山留め壁の支持工法のひとつ。山留め壁を形成した後、水平方向に支保工を渡して格子状に組み、土圧を支えるもの。最もシンプルで、広く使われるが、支保工の存在が他作業に影響するので考慮が必要。また、不整形な土地には不向き。
水密性すいみつせい液体を通さない性能・性質のこと。
水和反応/
水和作用
すいわはんのう/
すいわさよう
特定の物質と水との化学反応のこと。現場では特に、コンクリートやモルタルに含まれるセメントが水と結びついて硬化する化学反応のことを指す。
水和熱すいわねつコンクリートやモルタルが硬化する「水和反応」の際に生じる発熱のこと。ダムなどのような大規模なコンクリート工事(マスコンクリート工事)では、水和熱による温度上昇がひび割れの発生につながることもある。
スーパーゼネコンスーパーゼネコン国内のゼネコン上位5社を指す通称。具体的には、大林組・鹿島建設・清水建設・大成建設・竹中工務店が該当する。施工のみならず、設計や研究開発の機能を社内に持つ、高度な技術力が特徴。
スーパーダイマスーパーダイマ溶融亜鉛めっき鋼板の派生品として、亜鉛層にアルミニウム11%・マグネシウム3%・シリコン微量を加えることで、サビへの強さをさらに上げたもの。軽鉄工事などにおいて、ステンレス材のVE品として、水廻りに用いられる。耐食性能・材料価格ともに、概ねステンレス材と軽鉄材の間ぐらいの位置づけ。「スーパーダイマ」は新日鉄住金の商品名。ほぼ同様の製品として、日新製鋼の「ZAM(ザム)」がある。
スカラップスカラップ溶接工事において、二つの溶接線が交わる場合に、交差部分の部材に設ける扇形の切り欠きのこと。交差部分で溶接が二重になると本来の強度が出ないため、切り欠き部分で片方の溶接線を止め、もう片方と干渉しないようにするもの。
スカンスカスカンスカスウェーデンの大手建設会社。売上の約8割を国外で上げていることが特徴。
スケールスケール①巻き尺や定規のこと。特に現場では、ほぼ巻き尺を指す。
②図面の縮尺のこと。
スケルトンスケルトン骨格を意味する英語「skeleton」の名の通り、柱・梁・床など建物の骨組みにあたる駆体のこと。改修工事など耳にする「スケルトン状態」とは、内装や設備を撤去して躯体だけにした状態。
筋交いすじかい垂直方向と水平方向の組合せで組まれる構造に対して、斜めに入れる補強材のこと。「ブレース」とも言う。
スターダスト柄スターダストがら天井仕上げに用いる岩綿吸音板の特殊柄のひとつ。スターダスト柄はソーラトン(吉野石膏)シリーズでの名称で、ダイロートン(大建工業)では「ギンガ(ニューギンガ)柄」に相当する。表面に小さな穴がランダムに刻まれ、星くずのように見えるもの。
スターダスト4柄スターダストフォーがら天井仕上げに用いる岩綿吸音板の特殊柄のひとつ。施工性において不評な「スターダスト柄」の改良品。タッカー針に似せた模様を加え、留め付けが目立たないようにしている。また、タッカー針のサイズも通常品と同じ(4mm)で、工具の面での負担も軽減されている。スターダスト4柄はソーラトン(吉野石膏)シリーズでの名称で、ダイロートン(大建工業)では「ギンガ4柄」に相当する。
スターラップスターラップ鉄筋コンクリートの梁に入れる、せん断力に対する補強筋。長手方向に伸びる主筋を囲む形で、あばら骨のように組まれることから「肋筋」(あばらきん)とも呼ばれる。
柱にも同様な補強筋「フープ(帯筋)」がある。
スタイロフォームスタイロフォームポリスチレンを細かな泡で発泡させ、押出成型した材料。主にパネル状のものを断熱材として用いる。軽くて加工しやすく、耐水性にも優れる。
なお、通称となっている「スタイロフォーム」は、ザ・ダウ・ケミカル・カンパニー社の商品名であり、公式の呼び名は「押出発泡ポリスチレン」・「押出法ポリスチレンフォーム」などで、英語名から「XPS」(extruded polystyrene)という略称もある。
スタッコスタッコ主に壁面などに吹きつけて用いるセメント系や合成樹脂系の仕上げ材。吹付け後に、ローラーや鏝で粗い目の凹凸模様を付けて仕上げ面とする。もともと大理石に似た風合いの塗り壁材を指し、ギリシア・ローマ・イスラム圏で細部装飾に多く用いられてきた。日本では、セメントモルタルを左官工が鏝等で丁寧に仕上げる伝統的な方法に加え、近年の吹きつけ工法が普及した。
スタッドスタッド①軽鉄材のパーツのひとつ。ランナーに差込み、一定間隔で並べて間柱とするバー材。
②「スタッドジベル」・「頭付きスタッド」の略称。⇒ スタッドジベル
スタッドジベルスタッドジベル鉄骨とコンクリートを一体化させるため、鉄骨側に溶接するボルト材のこと。形状から「頭付きスタッド」とも呼ばれる。主に鉄骨梁とコンクリート床スラブ一体化や、鉄骨柱の根巻き部分のコンクリートとの一体化に用いられる。シアコネクターの一種。
捨てすて本施工の前段として行われる下処理的な施工や、それに使われる材料に付ける表現。工事が終わると捨てたり、捨てたような状態(見えなくなる等)となる。
捨てコンすてコン建物の基準となる墨出しをするため、平らにならした地盤の上に薄く打設するコンクリート。構造的な意味は持たず、強度は求められない。
捨て張り/
捨張
すてばりボードを二重張りにする際、下側(下地側)となるもの。「下張り」とも呼ばれる。反対に上側(表面側)になるものは「上張り」や「仕上げ張り」。
ステープラーステープラーコの字型の針(ステープル)を打ち出し、材料の留めつけに用いる道具の総称。中でも、文房具のホチキスのように挟んで針を咬ませる仕組みを持たず、針の射出部を材料に押し付けて打ち込むタイプは「タッカー」と言う。また、コンプレッサーの圧縮空気で打ち出すタイプを指して「エアネイラ」とも呼ばれる。木工や、布・網類の留め付け、ボード張り(上張り)などに使われる。
ステンレス/
ステン
ステンレス/
ステン
錆びに強い金属として有名。現場では、略して「ステン」と呼ばれたり、分類記号が「SUS」で始まることから「サス」と呼ばれたりする。鉄とクロムの合金で、名前は「ステイン(Stain=汚れ)」が「レス(less=無い)」に由来する。
ストックヤードストックヤード資材の保管場所のこと。
ストレッチルーフィングストレッチルーフィングアスファルト防水に使うアスファルトルーフィングの一種。合成繊維の不織布にアスファルトを浸透させ、鉱物質の細粒を付着させたもの。耐久性に優れており、伸びが大きいことから施工性も良いのが特徴。
砂付きルーフィングすなつきルーフィングアスファルト防水に使うアスファルトルーフィングの一種で、片面に1mm程度の砂粒を付着させたもの。人の歩行を想定しない屋根などで、防水層の仕上げ面として使われる。
スパイラル筋/
スパイラルフープ
スパイラルきん/
スパイラルフープ
鉄筋コンクリートで組まれる鉄筋の一種。せん断力に対する補強筋で、「主筋」を囲むように継ぎ目なく螺旋(らせん)状に巻かれる。同様の目的で設けられる「帯筋」や「あばら筋」に比べて地震に強いとされ、施工手間も少ないのが特長。
スパンドレルスパンドレル①金属製の仕上げパネル材。ライン状の凹凸加工が施されており、継ぎ目やビス留め部が隠れるようになっている。押出成形のアルミ製や、折り曲げ加工のスチール製のものがあり、軒天や外壁の仕上げに使われる。
②建物外部の防火区画のこと。火災時の延焼拡大を防ぐため、開口部同士の間に設ける間隔や、遮断構造物(庇や腰壁など)のこと。
スペーサースペーサー一定の空間を確保する部材の総称。下記がある。
①鉄筋コンクリート工事で用いるパーツ。コンクリートを所定のかぶり厚で納めるため、鉄筋と型枠類の間にかませて間隔を保つ。
②軽鉄材のパーツのひとつ。スタッドに一定間隔でにはめ込み、断面形状を一定に保つもの。スタッドに通す振止めを固定する役割も持つ。
スペックスペック英語「specification」の省略形で、もともとは仕様書を意味するが、転じて仕様・性能・意匠を指すことが多い。
すみ位置や寸法の基準として、躯体面などに書きつける印や情報のこと。古くから、墨が使われてきたことに由来する。
墨出しすみだし位置や寸法の基準となる「墨」を、躯体面などに書きつけて示すこと。
墨壺すみつぼ墨出しに用いる工具。糸車に巻かれた糸を、壺部分で墨付けしながら引き出し、直線に張りつつ指ではじいて墨の跡を付ける。長い直線を効率よく描けるのが特長。墨の代わりに粉チョークを用いる「チョークライン」も使われる。
素屋根すやね仮設の屋根のこと。「上屋」(うわや)とも言う。
スラースラー玉掛けで「下げる」を指示する合図。
英語の「slack away」(ゆるませて下げる)に由来。
スライディングウォールスライディングウォールその名の通り、スライドさせて使う移動式の間仕切壁のこと。天井のレールから吊った複数のパネルをつないで壁面とし、使わない時は分割して収納部にたたんでおくもの。主に会議室や宴会場といった大空間に設置され、用途に合わせてスペースを小分けにすることができる。
スライムスライム場所打ちコンクリートによる杭工事で、掘削孔の底部にたまる不要物のこと。掘削土や、ベントナイト液に含まれる細粒などが、孔内の泥水の中で混ざって沈殿したもの。そのままコンクリートを打設すると荷重に耐えられず沈下したり、杭のコンクリートと混ざり合って品質低下につながるため、除去する必要がある。除去する作業を「スライム処理」と呼ぶ。
スラグスラグ①製鉄所などで、金属の製錬の副産物として発生する粉末状の物質。もともとは廃棄物であるが、高炉セメントや岩綿(ロックウール)の原料として再利用されている。
②溶接作業で、溶接ビードの表面を覆う非金属の物質。不具合の原因となる酸素・窒素などの混入を防ぐため、溶接材に配合されている成分が固まったもの。溶けた金属中の酸素を除去しつつ表面に浮いてビードを覆い、空気中の酸素や窒素がビードに侵入するのを防ぐ。
スラグ巻込みスラグまきこみ溶接の欠陥のひとつ。通常はビードの表面を覆うスラグ(非金属物質)が、浮上しないまま溶けた金属の内部に残ってしまうもの。
スラブスラブ厚板や石板を意味する英語で、現場では躯体の床構造を指す。
スラブ・ツー・スラブ/
スラブ・スラブ
スラブ・ツー・スラブ/
スラブ・スラブ
ひとつの空間の躯体の天井面から躯体の床面までを指す表現。寸法の取り方や、間仕切の建て方で用いる。
スランプスランプ固まる前の生コンクリートの硬さを表す数値で、値が大きいほど軟らかいことを意味する。コンクリート工事に先立って行うスランプの測定を、スランプ試験と言う。スランプコーンと呼ばれる試験容器いっぱいに生コンを充填し、棒で突いてよく混ぜた後、スランプコーンを上方に抜き取り、生コンの頂点の下り幅をセンチメートル単位で測定する。
スリーブスリーブ①配管などのために躯体に開ける穴のこと。
②コンクリート工事で、上記①の穴を設けるため、所定の箇所に仕込んでおく管のこと。厚紙製の「ボイド」や、塩ビ管などを用いる。
スリットスリット切れ目・隙間・溝の総称。デザインとしての目地や、建物の変形を吸収させるため隙間など、様々な目的に合わせて設けられる。
スレートスレート板状の屋根ふき材の総称。もともとは堆積した泥からできる粘板岩の薄板材を指す言葉だが、稀少で高価なことから、現在はセメントなどを原料とした人工のスレートが主流。瓦に比べて軽く、耐久性にも優れることから、住宅などに広く普及している。
スロップシンクスロップシンク底の深い流しのこと。汚水を意味する英語「スロップ」(slop)が名前に付いている通り、主に汚れたものを洗う用途のために設置される。図面では「SK」と略されることが多い。
生産性向上せいさんせいこうじょうより少ないインプット(資材や労働力)で、より多くのアウトプット(成果や価値)を生み出そうとする考え方。現場で例えると、建物の完成というアウトプットに対し、資材ロスの削減や作業の効率化といった形でインプットを抑え、利益の最大化につなげることなどが当てはまる。
制震構造/
制振構造
せいしんこうぞう建物における地震対策の構造のひとつ。建物に震動減衰のための機構を組み込み、地震による損傷を抑制するもの。オイルダンパー等を利用した震動吸収装置や、建物の頂部で揺れを相殺(そうさい)するおもり状の装置などがある。
積算せきさん図面を基に、工事に関わる部材の種類・数量を拾い出し、集計すること(数量積算)。さらに、項目ごとに単価情報を加えて行う工事価格の算定(価格積算)まで含めることもある。
このうち、特に数量積算の作業は「拾い」とも呼ばれる。
責任施工せきにんせこう工事を請け負った者が、完成から品質まで一切の責任を負うことを広く指す表現。
①建材メーカーが、材料販売のみにとどまらず、所定の性能を発揮するよう施工にまで責任を負う形式。
②ひとつの業者に設計から施工まで一括で任せる発注方式のこと。設計・監理と施工を異なる業者に分離発注する「設計監理方式」などとの対照で用いられる。
石綿せきめん/
いしわた
天然の鉱物の繊維。丈夫で熱や腐食に強い特性から、耐火・断熱・電気絶縁などの用途で、過去には広く使われていた。しかし、粉塵を吸引すると肺ガンなどの健康被害につながることがわかり、現在は製造が禁止されている。「アスベスト」とも言う。
施工管理技士せこうかんりぎし建設業法によって規定される国家資格。「建設機械」・「土木」・「建築」・「電気工事」・「管工事」・「造園」の6分野について、それぞれ1級・2級に分かれて技術検定試験が行われており、合格することで資格が認定される。2級で現場の「主任技術者」、1級で「監理技術者」となることができる(別途に管理技術者講習の受講が必要)。
施工計画書せこうけいかくしょ施工に対する事前の計画をまとめた文書。請負業者が作成し、元請に提出する。記載内容は、工事概要・施工体制・工程・使用材・施工手順・検査方法・安全管理方法・環境保護対策など。
施工指導書せこうしどうしょ主に建材メーカーが作成する、自社製品の標準的な施工方法の説明書。使用する資機材や、作業手順、検査時のチェックポイントなどがまとめられている。「施工要領書」といった表現も使われる。
施工要領書せこうようりょうしょ主に建材メーカーが作成する、自社製品の標準的な施工方法の説明書。使用する資機材や、作業手順、検査時のチェックポイントなどがまとめられている。「施工指導書」といった表現も使われる。
施主せしゅ建物の発注者のこと。工事関係者の間で使われる慣用的表現で、敬意を含ませて「お施主さん」・「お施主様」などと使われる。公式には「建築主」・「発注者」という呼び名が一般的。
絶縁工法ぜつえんこうほうアスファルト防水工事において、防水層と下地を全面接着せず、両者の縁を切る工法のこと。下地にクラックなどが生じても防水層への影響を軽減できるのが特徴。反面、歩行に向いておらず、特に重歩行は不可。
なお、対となる工法で、防水層と下地を全面接着するものを「密着工法」と言う。
設計図書せっけいとしょ建物の建設に必要な図面や仕様書の総称。
石膏ボードせっこうボード石膏を主原料とした芯材を、厚紙でコーティングして固めたボード材。安価で、耐火性・断熱性・遮音性に優れ、丈夫でありながらカッターでも加工できるのが特徴。内装材として広く普及しており、現場で「ボード」と言う場合は、ほぼ石膏ボードを指す。また、書面などで「PB」(プラスターボードの略)や「GB」(ジプサムボードの略)とも表現される。

石膏の特性として結晶化した水分を大量に含んでおり、火熱にさらされてもその水分が蒸発している間は温度変化が起こりにくい。こうした仕組みで火に強く、耐火壁の構成にも使われる。

通常の石膏ボードのほか、付加機能を持たせたバリエーションがあり、代表的なものは次の通り。
「耐水石膏ボード」…水廻りに用いる
「硬質石膏ボード」…強度が求めらる場所に用いる
「強化石膏ボード」…耐火壁に用いる
「化粧石膏ボード」…そのまま仕上げ面として用いる
「ラスボード」…塗り壁下地に用いる。
接着系アンカーせっちゃくけいアンカーアンカーボルトの一種で、接着剤によってボルトや鉄筋を固定するもの。
コンクリートや岩盤面にドリルで穴を開け、粉塵を清掃した後、カプセル状のアンカー材を穴に入れ、先端を斜めに切ったボルトや鉄筋を打ち込むとカプセルが破れて接着剤が充填される仕組み。なお、接着剤をノズルで直接注入する方式もある。「ケミカルアンカー」、「樹脂アンカー」とも呼ばれる。
セットバックセットバック建物を後退させて建てること。建築基準に沿って敷地境界線から後退させる場合や、日照や通風のために高層部分を段状に後退させる場合に用いる。
折板/
折板屋根
せっぱん/
せっぱんやね
屋根の種類・工法のひとつ。金属板をギザギザに折り曲げた形状から、この名がある。長いスパンに対応できることから、大空間を持つ工場・倉庫・体育館などに使われることが多い。「タイトフレーム」という専用の受け金具によって躯体の梁に直接取り付けができ、下地組みが不要なことから、経済的で施工スピードにも優れる。
セトーセトー可搬式足場の一種。脚立の上に小型の作業床を付けたような形状の作業台。作業床の片側に転落防止の感知バーを備える。ジー・オー・ピー社の商品名。
ゼネコンゼネコン「ゼネラル コンストラクター」(General Contractor)の略語で、和訳は「総合建設業」。元請として建設工事を一式で発注者から直接請負い、下請会社を交えながら、現場を取りまとめて完工に導く。
セパレーターセパレーターコンクリート工事で型枠同士の間隔を一定に保つために用いる金具。両端に「Pコン」を取り付けて、向かい合う型枠を押さえ、「ホンタイ」(フォームタイ)で間隔を調整する。「分離する」という意味の英語「セパレート」(separate)に由来。
セメントセメントもともとは物と物を結合・接着させる物質を意味する言葉だが、一般的にコンクリートやモルタルの結合剤となる粉末材料を指す。水と結びつく「水和反応」によって硬化する「水硬性」の材料。最も一般的な「普通ポルトランドセメント」の他、施工性などを改良した様々なセメントが使われている。
セメントペースト/
セメントミルク
セメントペースト/
セメントミルク
セメントを水で練ったもの。主に固めでペースト状のものを「セメントペースト」、ゆるめで液状のものを「セメントミルク」と呼ぶ。また、それぞれを「ノロ」、「トロ」とも言う。
施釉せゆう陶磁器の表面にうわぐすりを施すことで、光沢のあるガラス質を形成したもの。主にタイル類の仕様の指定に使われる表現。
セルフレベリングセルフレベリング半液状にゆるく練った石膏やセメント系材料を床面に流すことで、平滑に整える工法のこと。流し込みの後は、トンボなどにより簡単にならす程度で、液体としての流動性から自然に水平となり、そのまま硬化する。名称は 「自ら」(self)+「平らになる」(leveling) という性質に由来。
ゼロエミ/
ゼロ・エミッション
ゼロエミ/
ゼロ・エミッション
現場からの排出物をゼロにすることを目指す活動のこと。廃棄物を減らしたり、リサイクルすることを指す。
膳板ぜんいた窓の室内側の下端に取りつける枠板のこと。窓の下に来る腰壁に対しての見切りとなる。
繊維強化セメント板せんいきょうかセメントばんセメント・石灰質・珪酸質・スラグ・石膏などを主原料に、補強繊維と組み合わせて作られるボード材。軽量で強度が高く、施工性も良好。「波板スレート」、「スレートボード」(フレキシブルボード)、「珪酸カルシウム板」の3種に大きく分けられる。いずれも不燃材にあたり、耐火構造に使われることもある。過去にはアスベストを使用していたが、現在販売されているの製品には含まれていない。
1000円上代(クロス)せんえんじょうだい(クロス)ビニールクロスのうち、「量産品」に継いで安価なグレード。また、「不燃」のクロスを探す場合は最も安価なグレードにあたる。汚れ防止・表面強化・消臭・調湿など、付加機能を備えた製品もある。薄手の製品が多く、下地の不陸が目立ちやすいことから、「量産品」に比べて施工難度は高い。呼び名は1mあたりの上代が1000円であることに由来。「一般品」・「AAランク」とも呼ばれる。
先行コマ/
先行コマ付け
せんこうコマ/
せんこうコマづけ
断熱面(ウレタン吹付け面)に軽鉄壁下地を組む場合、あらかじめ軽鉄の受けとしてコマ材(主にプラスチック製モクレンガ)を躯体面に付けておく作業のこと。
ウレタン面には軽鉄の固定に必要な強度がなく、逆に軽鉄を先に組むと断熱のためのウレタン面が不連続になってしまう。そこで、最初にコマを付けておいて、次にウレタンを吹き、最後にコマに対して軽鉄を留め付ける。
他の作業に先行して行うため、この名がある。略して「コマ付け」とも言う。
先行ピース/
先行ピース付け
せんこうピース/
せんこうピースづけ
耐火被覆面(ロックウール吹付け面)に軽鉄壁下地を組む場合、あらかじめ軽鉄の受けとしてピース材(主に軽鉄補強材や鉄骨材)を躯体に付けておく作業のこと。
ロックウール面には軽鉄の固定に必要な強度がなく、逆に軽鉄を先に組むと耐火のためのロックウール面が不連続になってしまう。そこで、最初にピースを付けておいて、次にロックウールを吹き、最後にピースに対して軽鉄を留め付ける。
他の作業に先行して行うため、この名がある。略して「ピース」・「ピース付け」とも言う。
洗濯パンせんたくパン洗濯機置き場に台座として設置されるプラスチック製のトレイ。洗濯機の排水ホースをつなげられる排水口が付いており、また、もし水が溢れても床面に漏水しないよう浅いシンクのような形状をしている。「防水パン」とも呼ばれる。
せん断力せんだんりょく構造物や材料に対し、ずれを生じさせる力のこと。任意の断面に対して平行方向に2つの逆向きの力がかかることでずれが生じるイメージ。鋏(はさみ)が典型的な例で、2つの刃から逆向きの力がかかることで対象物がずれ、切断される。
前渡金ぜんときん(まえわたしきん)工事や部材製作などにおいて、発注先に代金の一部または全部を前もって支払うこと。材料の事前調達など発注先の先行負担を考慮して支払われることが多い。「前払金」(まえばらいきん)とも言う。
専門工事業者せんもんこうじぎょうしゃ主にゼネコンの下請として、特定分野に限って工事を請け負う業者のこと。
専有部せんゆうぶマンションやオフィスビル等で、居住者が個々に使用する部分を指す。具体的には住戸(または事務所、店舗など)で、躯体を除いた内部スペース。現場では「専有部」と略して呼ばれることが多い。対義語は、居住者全員が共同で使う「共用部」(共用部分)。
ソイルセメント壁工法/
ソイルセメント柱列壁工法
ソイルセメントかべこうほう/
ソイルセメントちゅうれつかべこうほう
山留めの工法のうち、地中連続壁工法の一種。地盤に連続した穴を掘削しつつセメント系混合液を加えて土と攪拌し、芯材となるH形鋼やI形鋼を入れて固め、山留め壁を形成するもの。専用の掘削攪拌機を利用しての施工が一般的。止水性に優れ、幅広い地盤に対応できる。「場所打ち鉄筋コンクリート山留め壁」に仕組みが近いが、施工性が良く、コストも比較的低く抑えられる。英名を略して「SMW」(Soil Mixing Wall)とも呼ばれる。
増圧給水方式ぞうあつきゅうすいほうしき建物の給水方式のひとつ。水道からの給水管に増圧ポンプを設置し、水圧を増して給水するもの。ビルの高層部分まで直結給水できるのが特徴。受水タンクを介さないため、タンクの管理不備などによる水質低下のリスクが少ない。
造園ぞうえん建物周辺や庭などの空間に、植物・石材・オブジェ等を組み合わせて設置し、景観を整えること。
騒音規制法そうおんきせいほう生活環境の保全と国民の健康保護を目的として、騒音を規制する法律。都道府県知事によって指定された地域内での騒音が対象。建設工事では、特定作業(杭打ち機・削岩機・バックホウなどの指定機材を使う作業)を伴う場合、市町村長への事前届け出が必要となる。
層間ネットそうかんネット高所作業者の墜落防止や資機材の落下防止のため、建物の層ごと(階ごと)に張る安全ネットのこと。主に各階の床スラブ開口部や、仮設足場の隙間などに設ける。
層間変位そうかんへんい地震や風などによって建物が変形する時、上下階の間で発生する変形の差のこと。
早強ポルトランドセメントそうきょうポルトランドセメントポルトランドセメントの一種。「普通ポルトランドセメント」に比べて、初期強度が大きいのが特長。寒冷期工事・緊急工事・コンクリート製品等に利用される。
造作ぞうさく主要構造部以外の間仕切壁や天井等を仕上げる大工のこと。木を扱う大工の中で、「型枠大工」と呼び分けるために生まれた名称。
臓物ぞうもつ天井内に納められる設備機器の通称。一般的に天井仕上げで隠された裏側(懐部分)にあたり、見えないところで縦横に配置される様々なダクト・機器類を内臓に見立てた呼び名。
ソーラトンソーラトン吉野石膏社の岩綿吸音板の商品名。もともとは日東紡の商品であったが撤退したため、吉野石膏が継承した。
測量そくりょう機器を用いて土地や建物各部の位置関係・面積などを測定し、記録すること。
粗骨材そこつざいコンクリートの素材のうち、砂利(じゃり)や砂を指す「骨材」の中で、粒の大きいもの。5mm以上のものが重量で85%以上含まれる骨材を指す。
素地そじ部材の表面に塗装や貼物による化粧を施さず、そのまま仕上げ面とすること。
袖壁そでかべ①室内に突出させた壁のこと。主に寝室・キッチン・トイレの目隠しなどの目的で設けられる。
②建物外部に突出させた壁のこと。防火・防音・目隠し・構造強化などの目的で設けられる。
外断熱工法そとだんねつこうほう断熱層を躯体の外側に形成する工法。反対に、躯体の内側に断熱層を形成するのが「内断熱工法」。外断熱は、内断熱に比べて施工コストが高いものの、エネルギー効率に優れ、結露も発生しにくいなど、使用上のメリットが大きい。建物の寿命も内断熱に比べて長いと言われる。
外法(そとのり)そとのり隣り合う2つの部材の外側から外側までの距離のこと。
距離の測り方としては、外法と反対に内側から内側までの距離を指す「内法(うちのり)」や、中心から中心までの距離を指す「芯々(しんしん)」がある。
ぞろ2つの部材の高さが揃い、同一面として納まること。「面一」(つらいち)とも言う。