索引

          英字・記号

か行

 用語読み方解説
カーテンウォールカーテンウォール建物の荷重を直接負担しないタイプの外壁のこと。建物を外側から覆うパネルのイメージで、文字通りカーテンのように構造的に取り外し可能な壁と言える。
荷重を前提とする鉄筋コンクリート等の外壁に比べて軽量化でき、地震などで建物がしなる場合にも負荷がかからず破損しにくい。ガラス・金属・コンクリート・石など素材の種類が多く、デザイン性に富むのもメリットのひとつ。
外構がいこう植栽・門扉・通路など、建物の外部にあるもの全般を指す。
開口部かいこうぶ壁・天井・床などの一部が開放された部分のこと。採光・通風・換気・配管・人の出入りなどの目的で設ける。。
開口補強かいこうほきょう構造的な脆弱を避けるため、開口部の周囲に仕込む補強のこと。鉄筋や軽鉄下地の工事で、開口部の周囲に補強材を加えて対応する。
改質アスファルトかいしつアスファルトアスファルトに合成樹脂などを加えて、アスファルトの性状を改良したもの。耐久性や流動性など、求める用途に合わせて調合される。
改質アスファルトルーフィングかいしつアスファルトルーフィングアスファルト防水に使うアスファルトルーフィングの一種で、改質アスファルトを浸透させたタイプのもの。耐久性や施工性に優れる。
介錯ロープかいしゃくロープクレーンなどで吊り荷に取り付ける補助のロープ。吊り荷の揺れを抑えたり、降ろす位置を微調整するために使う。
階高かいだかある階の床面から、ひとつ上の階の床面までの高さ。
界壁かいへきマンションなどの共同住宅で各住戸の間を仕切る壁のこと。界壁を挟んで別々の住居という考え方のため、相応の耐火・防火性能や遮音性能を必要とする。「戸境壁」(こざかいかべ)とも呼ばれる。
改良圧着張りかいりょうあっちゃくばりタイル張りの工法のひとつ。下地面に下地モルタルを塗って平坦に整え、さらに張り付け用のモルタルを上塗りした後、タイル裏面にも張り付け用のモルタルを塗った上で押しつけて張る。単なる「圧着張り」に比べ、タイル側にもモルタルを塗る点が異なる。
改良積上げ張りかいりょうつみあげばりタイル張りの工法のひとつ。下地面に下地モルタルを塗って平坦に整え、タイル裏面にも張り付け用のモルタルを塗った上で押しつけて張る。単なる「積上げ張り」に比べ、下地モルタルを厚く塗り整え、タイル側のモルタルを薄めにする点が異なる。
改良モザイク張りかいりょうもざいくばり壁の上部が天井沿いに手前側に出っぱった構造。側面を「下り壁」、下面を「下り天井」、両方を総称して「下り」と呼ぶ。(側面・下面の両方をまとめて「下り壁」または「下り天井」と呼ぶ場合もある。)
返り墨かえりずみ墨出しの際に、障害物で墨が打てなかったり、後続作業で墨が隠れてしまうような場合に、本来の場所から離して打つ墨。「逃げ墨」ともいう。
かく正方形を示す寸法補助記号。記載の数値を一辺の長さとする。例えば一辺が500mmであれば「□500」または「500□」(読みはいずれも「ごひゃっかく」)と記載する。
角スタッドかくスタッド軽鉄材のスタッドの一種。断面がコの字型の一般的なスタッドに比べて板厚を下げつつ、断面を角パイプ状にすることで剛性を補い、スペーサーや振止めを省いたもの。軽くてパーツが少ないため、施工性・コストに優れる。また、一般的なスタッドが主として壁向けであるのに対し、角スタッドは壁にも天井にも使える位置づけの製品となっている。
角スタッド工法かくスタッドこうほう軽鉄下地の工法のひとつ。一般的なコの字型スタッドに代わり、角スタッドを用いるもの。軽く、パーツが少ないことから、施工性に優れ、コストも抑えられる。桐井製作所の角スタッド材の製品名「SQ-BAR」にちなんで、「SQ工法」とも呼ばれる。
確認申請かくにんしんせい「建築確認申請」の略。建設予定の建物が建築基準等の法規定に適合するかどうかについて、建築主事または民間の指定確認検査機関の確認を受けるための申請のこと。敷地・構造・設備など。この確認審査を通過し、確認済証の交付を受けなければ、着工することができない。
新築に限らず、一定規模以上の増改築・移転・用途変更・修繕にも必要で、大部分の建築物が対象になる。
額縁がくぶち窓などの建具の枠に付ける化粧材。建具と、隣り合う壁仕上げとの見切りの役割を持つ。ドアなどでは、枠が壁との納まりまで考慮して設計され、別途に額縁を必要としない場合も多い。そのため、枠のことを額縁と呼んで扱うケースも見られる。
笠木かさぎ手すり・パラペット・腰壁などの上部に取り付けられる仕上げ材のこと。金属製・プラスチック製・木製など、様々の素材のものが使われる。
瑕疵かし本来あるべき機能・品質・性能・状態などが備わっていないこと。具体例で多いのは、仕上げ面の傷や色違い、器具の動作不良といったものであるが、特に強度不足や耐火性能不備など人命に関わるものは重大で補修も大掛かりとなってしまう。瑕疵の発生防止のため、自主検査をはじめとする品質管理が大切となる。
かしめるかしめる接合部で、部材同士を噛み合わせたり留め金具を用いたりしながら、工具で締め込んだり打ちつぶしたりして密着性を上げること。
鍛冶屋かじや溶接工のこと。高温に熱した金属をハンマーで叩いて鍛え上げる本来の鍛冶屋の姿に、溶接・溶断の作業風景を重ねた呼び名。
かすがいコの字形で両端が尖った釘のこと。
木材の結合部に打ち込んで用いる。
ガスケットガスケット密封性を高めて液体や気体の漏れを防ぐ定形シール材。配管の継手部分・PC板のジョイント部など、固定された場所で使われるものを指す。
なお、対になるものとして、水道の蛇口など、可動する場所での定形シール材を「パッキン」と呼ぶ。
ガスシールドアーク溶接ガスシールドアーク溶接溶接工法の一種。ガスで溶接面を空気から遮断(シールド)しながら溶接を行うもの。高温になった金属が酸素と反応して酸化するのを防ぐ効果がある。風の影響を受ける環境では、シールドとなるガスが吹き飛ばされて安定した溶接品質が望めないため、防風処置が必要。
ガス銃/
ガスネイラ
ガスじゅう/
ガスネイラ
ガス式の鋲打機(びょううちき)の通称。カートリッジの圧縮ガスで鋲を打ち出す仕組みで、軽鉄ランナーの留め付けなどに用いる。「鉄砲」とも呼ばれる。鋲は「ピン」と言い、打ち込む対象に合わせてコンクリート向けや鉄骨向けなどを使い分ける。
仮設かせつ現場などで臨時に使用する、仮の設備・資材・機材などに対して使う表現。
型枠かたわくコンクリートを成形するために用いる枠。木製や金属製パネルを寸法通りに組み上げ、補助材で固定するもの。ここに液状のコンクリートの充填して硬化後に取り払うことで、所定の形が得られる。
型枠大工かたわくだいく型枠の加工や組立てを行う大工のこと。木を扱う大工の中で、「造作大工」(ぞうさくだいく)と呼び分けるために生まれた名称。
勝ちかち2つの部材が取合う場合に、その位置関係を示す言葉。ぶつかってそのまま貫通する側を「勝ち」、ぶつかって止まる側を「負け」と表現する。
カットパイルカットパイルカーペットの表面の毛足である「パイル」の形状のひとつで、毛先をカットしてそろえたもの。ソフトな肌ざわりが特長だが、弾力性・耐久性ではやや劣るため、歩行量の少ない寝室などに向いている。
毛足を切らずにループ状のままにしてあるものは「ループパイル」と呼ぶ。
金鏝押え/
金鏝仕上げ
かなごておさえ/
かなごてしあげ
モルタルやコンクリートの塗り方のひとつ。金属製の鏝(こて)で土間や壁面をツルツルに仕上げるもの。精度高く整えられた仕上げ面は、光を当てると反射するほど輝く。見た目の美しさのみならず、しっかりと押さえることにより亀裂の防止にもなる。
矩計
矩計図
かなばかり/
かなばかりず
建物の高さ関係の納まりを表した詳細図。同様な垂直方向の切断図である「断面図」が建物全体で描かれるのに対し、矩形図は拡大した縮尺でより詳細に記載される。
かね直角のこと。「矩(かね)が出てない」(=直角の精度が悪い)、「矩手(かねて)に曲がる」(=直角に曲がる)といった使い方をする。
矩尺/
曲尺
かねじゃく直角のL字形をした物差しのこと。表裏で異なる寸法がふられており、表面の寸法に対し、裏面はその平方根になっている。「指矩」(さしがね)とも呼ばれる。
可搬式足場/
可搬式作業台
かはんしきあしば/
かはんしきさぎょうだい
持ち運びできる作業台全般を表す言葉。特に「立ち馬」を指すことが多い。
かぶりかぶり塗装における不具合のひとつ。塗装面が白く濁る現象をいう。ラッカーなど速乾性塗料を使用した場合や、湿度が高い場合、気温が低く結露しやすい場合などに起こりやすい。「白化現象」、「ブラッシング」ともいう。
かぶり厚/
かぶり厚さ/
かぶり
かぶりあつ/
かぶりあつさ/
かぶり
鉄筋コンクリート工事で、鉄筋表面とコンクリート表面までの最短寸法のこと。コンクリートはアルカリ性で、内部の鉄筋を酸化(=錆び)から守る働きを持っているが、空気との化学反応により徐々に中性化して機能を低下させていく。これを考慮して、建築基準法で建物の部位ごとに最小のかぶり厚が規定されている。
壁つなぎかべつなぎ外部足場を組む際に、足場を建物の壁とつなぐ金具のこと。足場を安定させる控えとなり、倒壊を防ぐ。
かまち①屋内の段差部分に取り付けられる化粧材。端部をしっかりと固め、小口を隠す役割を持つ。代表的なのは、玄関の「上り框(あがりがまち)」や、床の間(とこのま)の「床框(とこがまち)」。
②障子(しょうじ)や襖(ふすま)などの周囲の枠のこと。
釜場かまば排水処理の目的で、周囲より一段深く掘り下げた構造の総称。工事で地下水処理に用いる一時的なものや、建物の一部として地下ピットの排水に使われるものがある。
釜場工法かまばこうほう地下水処理の工法のひとつ。地下水のある層に穴を掘ったり、さらに集水用の容器を設置したりして、にじみ出てきた地下水をポンプで排出するもの。その際、地面に設けられる穴を「釜場」と呼ぶ。「重力排水」に分類され、比較的小規模な現場で、地下水量も少ない時に用いられる。
鴨居かもい襖(ふすま)や障子(しょうじ)などでレールの役割をしている上側の枠のこと。下側のレールにあたる「敷居」と対になっている。
また、ここから転じて、開き戸タイプの建具でも上側の枠を鴨居と呼ぶことがある。
ガラガラゴミ全般を指す言葉。現場で「ガラ」と単体で呼ぶ場合は、コンクリートや石材の大きな破片を指すことが多い。
ガラガラポンガラガラポンビジネス上の俗語的表現。複雑になってしまった問題を、一度ゼロに戻して考え直してみること。または、収集のつかない多数の意見を大雑把に集約してみるといった意味合い。
カラーケイカルカラーケイカル「カラー珪酸カルシウム板」の略称。珪酸カルシウム板に樹脂塗料などで表面加工を施し、そのまま仕上げ面として使えるようにしてあるもの。表面強度が高く、耐水性・防汚性に優れることから、キッチンやトイレといった水廻りによく使われる。「化粧ケイカル」とも言われる。
カラーコーンカラーコーン現場内の危険表示や、道路工事の車線誘導などに使われる円錐形の保安器具。多くは合成樹脂性で、重ね合わせて収納できる中空構造になっている。コーン同士をつなぐ「コーンバー」を併用することが多い。最もメジャーな呼び方である「カラーコーン」はセフテック社の商品名で、本来の名称は「ロードコーン」や「パイロン」。
カラーフレキカラーフレキ「カラーフレキシブルボード」の略称。フレキシブルボードに樹脂塗料などで表面加工を施し、そのまま仕上げ面として使えるようにしてあるもの。「化粧フレキ」とも言われる。代表的な商品は、エーアンドエーマテリアル社の「ステンド#300」。
ガラスブロックガラスブロック厚みのあるガラス製で中が空洞になっているブロック。主に採光のために用いられるが、中空構造のため断熱・遮音性能にも優れるのが特徴。目地部分に細身の鉄筋を通すことで剛性を高めることができ、躯体との間に専用のエキスパンションを組み込むことで地震による建物変形にも対応可能。
ガラ袋ガラぶくろ現場で多用されるゴミ入れの袋。一般的なものは、合成繊維を編みこんだ丈夫な造りで、口に付いている紐を引き絞って閉じられるようになっている。
空堀/
空掘り
からぼり地下室の外壁に面して掘り下げられた、屋根のないスペースのこと。主に採光・防湿・換気を目的とし、閉塞感を和らげたり、避難経路にもできるなど、地下室の環境向上に役立つ。「ドライエリア」とも呼ばれる。
ガラリガラリ羽板(はいた)と呼ばれる細長い板を、枠の中に隙間をあけて平行に並べた形状のもの。雨風・光・視線などを適度に遮断しながら通気を確保することができる。広義で「ルーバー」とも言い、また特に建具として枠ごと開閉できるものは「鎧戸」とも呼ばれる。
カランカラン水道の蛇口のこと。「鶴」を意味するオランダ語「kraan」に由来。
仮置きかりおき一時的にその場所に置くこと。
仮囲いかりがこい工事中の現場の周囲に建てる、仮設の塀のこと。通行人の安全や隣接物の保護といった安全上の目的の他、どうしても雑然としがちな現場を覆って周囲の景観を整える役割も持つ。鋼板製のものが多いが、車両出入口などで視認性向上のためにポリカーボネート等の透明材を使うこともある。
仮締めかりじめ鉄骨工事で、接合部分のボルトを仮に締め込むこと。これに対して、精度調整の後に完全に締め込むことを「本締め」と言う。
仮ボルト/
仮締めボルト
かりボルト/
かりじめボルト
鉄骨工事に使われる、仮締め用のボルトのこと。その本数は、一般的な高力ボルトでの接合の場合、一群のボルト数の1/3程度、かつ2本以上とされている。本締めに使う高力ボルトに対して、仮締めには中ボルト(高力ボルトではない一般ボルト)を用いる。仮ボルトは本締めボルトの締込み後に取り外され、本締めボルトに交換される。
ガルバリウム鋼板/
ガルバ
ガルバリウムこうはん/
ガルバ
アルミ亜鉛合金めっき鋼板の一種。「ガルバ」と略して呼ばれることも多い。めっき層の構成比は概ねアルミニウム55%・亜鉛43%・シリコン2%。アルミと亜鉛の特長を合わせ持ち、長期の耐食性・耐熱性などに優れる。外壁・屋根・雨樋(あまどい)・バルコニーなど外部の水廻りに使われることが多い。「ガルバリウム」は、BIECインターナショナル社の商品名。
代わりはいくらでもいるかわりはいくらでもいるゼネコンが値引きを迫る際の決めゼリフのひとつ。無尽蔵にカネがあったバブル期の威光を知るベテラン管理職に多い。
岩吸板がんきゅうばん「岩綿吸音板」の略称。岩綿(ロックウール)を主原料とする天井用のボード材のこと。吸音性・防火性・断熱性などに優れた不燃材で、表面に化粧が施してあるため、そのまま仕上げ面として使える。最もスタンダードな柄はトラバーチン柄(フィッシャー柄)で、ジョイント部分や留付けのタッカー類が目立ちにくく、美しく仕上がる。代表的な商品は「ダイロートン」(大建工業)、「ソーラトン」(吉野石膏)。
乾式工法かんしきこうほう水を使わずに施工する方法。乾燥硬化の工程を含まないため、作業性が高まり、工期短縮が図れる。これに対して、水を使って施工する方法は湿式という。
湿式:鉄筋コンクリート ⇔ 乾式:軽鉄下地+石膏ボード
湿式:ロックウール吹付け ⇔ 乾式:巻付け耐火被覆材(マキベエ)
乾式間仕切/
乾式壁
かんしきまじきり/
かんしきかべ
軽鉄または木製の下地に石膏ボード貼って形成する壁のこと。下地を軽鉄とし、強化石膏ボード等を組み合わせることで、耐火構造としても使用できる。水を使う鉄筋コンクリートの湿式工法に対して、水を使わないことから乾式と呼ばれる。乾燥硬化の工程を含まないことから工期短縮が図れること、また軽量なことから、特に高層建築で多用される。一方で、石膏ゆえに強い衝撃で穴が開いたり、中空構造ゆえにノックすれば音が出るなど、乾式ならではデメリットもある。
間接照明かんせつしょうめい光源からの直接光を使わず、壁面・天井面などで反射させて照らすもの。反射させる分、効率は悪くなるが、やわらかで雰囲気のある照明が得られる。
監督かんとく現場監督の略称。元請ゼネコンの現場職員全般を指す。
ガントチャートガントチャート工程管理に用いられるグラフ。横棒によって作業の計画や進捗状況を表す。作業ごとの開始・終了がわかりやすいが、一方で、作業間の関連性がわかりにくいのが欠点。名称は、考案者のアメリカ人、ヘンリー・ガント氏に由来する。
観音開きかんのんびらき建具の開閉の仕方のひとつで、並んだ2枚の戸が、それぞれ中央から左右に回転して開く、両開きタイプのこと。名称は、観音菩薩を納めた箱の扉の開き方に由来。
岩綿がんめん玄武岩・安山岩・スラグなどを溶融し、空気を吹き付けることで急冷し繊維状にしたもの。「ロックウール」とも呼ばれる。断熱性・吸音性・耐火性に優れ、建設現場でも広い用途で使われる。アスベスト(石綿)と名称や外見が似ているが、岩綿は繊維が非常に太いため体内に取り込まれにくく、分解・排出がされやすい成分で、発癌リスクが低いとされる。
岩綿吸音板がんめんきゅうおんばん岩綿(ロックウール)を主原料とする天井用のボード材。吸音性・防火性・断熱性などに優れた不燃材で、表面に化粧が施してあるため、そのまま仕上げ面として使える。最もスタンダードな柄はトラバーチン柄(フィッシャー柄)で、ジョイント部分や留付けのタッカー類が目立ちにくく、美しく仕上がる。代表的な商品は「ダイロートン」(大建工業)、「ソーラトン」(吉野石膏)。
監理技術者かんりぎじゅつしゃ施工計画の作成、工程および品質その他の技術上の管理、施工者の指導監督を行う者。守備範囲の工事の統制を行う「管理」に対して、「監理」は建物が設計通りに施工されるよう総合的に監督する役割を意味する。そのため監理技術者には、特定の国家資格の取得、または国土交通大臣の特別認定といった要件が求められる。
発注者から直接工事を請け負い、そのうち3,000万円(建築一式工事の場合は4,500万円)以上を下請業者に外注する場合、監理技術者の設置が必須となる。
寒冷紗かんれいしゃもともとは綿や麻から粗い目で織られた薄い布のことだが、現在はガラス繊維製の「グラスファイバーテープ」で代用し、それを「寒冷紗」と呼んでいる。塗装やクロス仕上げの際、下地ボードのジョイント部分や、不陸(凹凸)が大きい箇所に用いる。粗い目にパテがなじんで一体化し、不陸部を面的に整えつつ強化する。
擬花ぎかコンクリート面やモルタル面に結晶状の白い物質が発生する現象のこと。コンクリート構造物の強度には問題なく、物質も無害であるが、外見上の問題となることがある。コンクリートやモルタルの内部に侵入した水分が蒸発する際に、石灰分などの成分が表面に染み出して固まったり、もしくは空気中の二酸化炭素と反応して固まったもの。「エフロレッセンス」・「白華(はっか)」・「鼻垂れ」・「塩吹き」とも呼ぶ。
危険予知/
危険予知活動
きけんよち/
きけんよちかつどう
作業の中に想定される危険を事前に洗い出し、対策を立てること。略して「KY」と呼ばれる。(「危険予知活動」として、「KYK」と表現されることもある。)
気硬性きこうせい空気中で硬化する性質のこと。石膏が代表的。
木鏝押えきごておさえモルタルやコンクリートの塗り方のひとつ。木製の鏝(こて)で均し、押さえるもので、金鏝押えにくらべて表面はザラつく。そのまま仕上げとする場合もあるが、金鏝押えなどの仕上げの前段となることが多い。
木殺しきごろし木材を接合する際に、接合部を金槌などで叩いて圧縮し、寸法をわずかに小さくして組みやすくすること。組んだ後、元の寸法に膨んで戻り、しっかりと接合できる。金槌には、「玄能」(げんのう)の凸曲面(木殺し面)を使うことが多い。
基準階きじゅんかいビルなどで、複数階に同じレイアウトを採用する場合の該当フロアの呼び名。同じレイアウトで複数フロアを共通化することが、効率性・安定性の面で有利なため、多くのビルに採用されている。低層階や最上階は特殊なレイアウトが多いため、それらを除いたフロアが基準階となることが多い。
既成杭きせいぐい建物の基礎に用いる杭のうち、そのまま打ち込めるよう、あらかじめ工場で成形されるタイプのもの。これに対して、現場で成形するものは「場所打ち杭(現場打ち杭)」と呼ばれる。
基礎きそ建物からの力を地盤に伝え、建物を安全に支える機能をもつ構造のこと。下部構造(かぶこうぞう)とも呼ばれ、それに対して建築物本体を上部構造と呼ぶ。建物の構造や、地盤の状況などに応じて、様々なバリエーションがある。
基礎杭きそぐい建物の荷重を地盤に伝えて安定させるため、地中に埋め込む基礎構造物。高さ・重量のある建物に対して、地盤が軟弱な場合に採用される。支持層となる固い地盤まで杭を到達させて支える「支持杭」と、杭と地盤との摩擦力によって支える「摩擦杭」の2方法がある。摩擦杭は、主に支持層が深く、届かない場合に採用される。杭本体の多くはコンクリート製や鋼製で、素材や形成方法によってさらに細かく分かれる。略して「杭」とも呼ばれる。
基礎工事きそこうじ建物の土台部分を作る工事のこと。建物の規模や地盤に合わせて、独立基礎・布基礎・ベタ基礎・杭基礎などから最適な工法を選択する。
基礎梁きそばり建物の基礎部分を結び、支える梁のこと。「地中梁」、「繋ぎ梁」とも呼ばれる。
キッチンパネルキッチンパネルキッチンの廻りの壁などに使われる化粧板の総称。キッチンという用途に合わせ、汚れに強い不燃材であることが求められ、メラミン化粧板やメタル化粧板、化粧ケイカル板が用いられる。古くからキッチンに多く用いられてきたタイルに比べて、継ぎ目が少なく掃除しやすいのが特徴。
技能士ぎのうし職種ごとに設けられた技能検定の合格者に与えられる国家資格。建設関係の職種では、主に1~3級に区分された検定が実施されており、特に1級技能士は該当職種に対する高度な知識と実技を修得している証となる。
基本設計きほんせっけい施主の要望に沿って、性能・意匠・法規など諸条件を考慮しながら建物の概略を決める、初期段階の設計作業。仕上表・配置図・平面図・立面図・断面図など基本となる図面が作成され、より詳細な「実施設計」のベースとなる。
気密性きみつせい気体を通さない性能・性質のこと。
脚立きゃたつ二つのはしごを向かい合わせ山型につないだ形状の自立型のはしご。作業台や手すりを持たないため、足場としての利用は、ごく簡易な用途に限られる。特に頂部に乗っての作業には向かない。
脚立足場きゃたつあしば脚立の間に足場板を渡して作る仮設足場。やや広い範囲で作業する場合に、簡易な足場として利用される。
キャットウォークキャットウォーク天井裏や高所など往来の無い場所に、設備のメンテナンスなどのために設けられる、簡易な細い通路。高所を歩く猫の通り道をイメージしたネーミング。
CADキャド「Computer Aided Design」の略。コンピュータを用いて設計をすること、またはコンピュータによる設計支援ツールのこと。人の手によって行われていた設計作業にコンピュータを取り入れ、効率や精度を高めたもの。代表的なソフトは、オートデスク社の「AutoCAD」や、フリーソフトの「JW_CAD」。
キャブタイヤキャブタイヤキャブタイヤケーブル(cabtire cable)の略称。電気ケーブルの一種で、金属導線を包む被覆部分が厚く作られており、磨耗や衝撃に強い。通電状態のままでの移動作業に耐えられるのが特徴。現場では主にアーク溶接機のホルダーやアースクリップをつなぐケーブルを指す。
キャラメルキャラメル鉄筋コンクリート工事で鉄筋の位置やかぶり厚の確保に用いるスペーサーの一種。四角いモルタル製のブロックで、その形から「キャラメル」や「さいころ」と呼ばれる。
吸音テックスきゅうおんテックスかつて木造建築が主流だった頃に普及していた吸音ボード。木質繊維をプレスしたボードに吸音用の孔を多数あけたもので、木製の下地に釘で取り付けていた。現在は廃番となり、修繕用にごく少量が生産されている程度。大建工業の製品名。
キュービクルキュービクル電力会社から送られてくる高圧電気の受電設備を収めた金属製の箱のこと。商業施設/工場/オフィスビルなど多くの電気を必要とするに設置される。
強化ガラスきょうかガラスガラスの種類のひとつ。一般的なガラスの3~5倍程度の強度を持つことから、この名がある。ただし一方で、割れる時は一瞬で破壊が進行し、粉々になる。この粒状になる点も特徴で、破片が極端に鋭利にならず、比較的安全なため、自動車の窓、家具、子供の多い学校などで広く利用されている。
強化石膏ボードきょうかせっこうボード芯材部分にガラス繊維などを加えて耐火性能を強化した石膏ボード。主に耐火間仕切に用いられる。
経師きゅうじ襖(ふすま)・障子(しょうじ)など建具廻りに紙や布を張って表装する職人。掛軸(かけじく)や屏風(びょうぶ)の製作も行う。名称は、もともとお経を本や巻物に仕立て、表装する仕事であったことに由来する。「表具師」とも呼ぶ。
強電きょうでん電動機器の動力源として電気を供給すること、およびそのための設備のこと。具体的には、受電関係の設備、動力や照明のための電気配線廻りを指す。対義語は、通信や制御信号の供給に関わる「弱電」。
強度率きょうどりつ労働災害に関する指標のひとつ。ある期間中に発生した労働災害の重さを示したもので、延べ労働時間1,000時間当たりの労働損失日数を用いる。
同様に重視される他の指標として、「度数率」・「年千人率」がある。
共用部分きょうようぶぶんマンションやオフィスビル等で、居住者全員が共同で使うもの全般を指す。具体的には、エントランスや廊下やバルコニーといったスペース、エレベーターなどの設備、躯体など。現場では「共用部」と略して呼ばれることが多い。対義語は、居住者が個々に使用する「専有部分」(専有部)。
協力会社/
協力業者
きょうりょくがいしゃ/
きょうりょくぎょうしゃ
下請会社・下請業者のこと。根強い上下関係の意識を和らげる目的の込められた呼び名と言える。広い意味では、下請の工事会社の他に、建材の納品に関わるメーカー・商社なども含む。
切梁きりばり山留め工事において、山留め壁にかかる土圧を支えるため、つっかい棒のように水平方向に渡す部材。
際根太きわねだ床板の下地となる水平材「根太(ねだ)」の端部に付く部材。壁際の床を支える。
ギンガ柄ギンガがら天井仕上げに用いる岩綿吸音板の特殊柄のひとつ。ギンガ柄はダイロートン(大建工業)シリーズでの名称で、ソーラトン(吉野石膏)では「スターダスト柄」に相当する。表面に小さな穴がランダムに刻まれ、星くずのように見えるもの。
ギンガ4柄ギンガフォーがら天井仕上げに用いる岩綿吸音板の特殊柄のひとつ。施工性において不評な「ギンガ柄」の改良品。タッカー針に似せた模様を加え、留め付けが目立たないようにしている。また、タッカー針のサイズも通常品と同じ(4mm)で、工具の面での負担も軽減されている。ギンガ4柄はダイロートン(大建工業)シリーズでの名称で、ソーラトン(吉野石膏)では「スターダスト4柄」に相当する。
キンクキンクワイヤーやロープがねじれたりよじれたりして、元に戻らない状態のこと。大きな破損につながるため、交換を要する。「よじれ」を意味する英語「kink」に由来。
杭/
杭基礎
くい/
くいきそ
建物の荷重を地盤に伝えて安定させるため、地中に埋め込む基礎構造物。高さ・重量のある建物に対して、地盤が軟弱な場合に採用される。支持層となる固い地盤まで杭を到達させて支える「支持杭」と、杭と地盤との摩擦力によって支える「摩擦杭」の2方法がある。摩擦杭は、主に支持層が深く、届かない場合に採用される。杭本体の多くはコンクリート製や鋼製で、素材や形成方法によってさらに細かく分かれる。
杭打ち機くいうちき既成の杭をハンマーで地盤に打ち込む重機。
杭頭処理くいとうしょり場所打ちコンクリート杭において、打設の完了後、杭頭(杭の上端)を0.5~1m程度削り取り、整える処理。
◆不純物によって杭頭に生じる脆弱な部分を除去する
◆内部の鉄筋を損傷なく露出させ、上に据え付く躯体と結合させる
◆杭の寸法を整える
といった目的がある。
クーラースリーブクーラースリーブクーラーの設置場所に取り付けられる筒状の部材。クーラー本体と室外機を結ぶ配管・配線向けに、壁を貫通した形で取り付けられる。「エアコンスリーブ」とも呼ばれる。
くさび緊結式足場くさびきんけつしきあしば仮設足場の一種。あらかじめ一定間隔に受け金具の付いた建地(たてじ)に、水平材や斜め材などをセットし、くさびを打ち込むことで緊結するのが特徴。部材がユニット化されており、ハンマーのみで組立て・解体ができる。中小規模の建物や、改修などの短期現場に多く見られる。「ビケ足場」とも呼ばれる。
櫛引きくしびき①左官工事の仕上げ方のひとつ。モルタルや漆喰(しっくい)などを櫛形(くしがた)の鏝(こて)でなぞって縞模様(しまもよう)をつけたもの。
②接着用のモルタルや接着剤の塗り方のひとつ。櫛形の鏝でなぞって縞模様をつけたもので、接着力を向上させる狙いがある。
躯体くたい建物の主要な構造体のこと。強度に関わる基礎・柱・梁・壁・床などを指す。構成材により、鉄筋コンクリート造(RC造)、鉄骨造(S造)、鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)、木造などに区分される。
躯体工事くたいこうじ躯体を形成する工事の総称。具体的には、鳶・鉄骨・鉄筋・型枠・コンクリートなどの工種を指す。現場の工程は、「躯体工事」・「仕上げ工事」・「設備工事」の3つに大きく分けられる。
躯体三役くたいさんやく現場において重要かつ長期に渡って携わる職種を、相撲の三役(大関・関脇・小結)になぞらえて呼ぶもの。「三役」と略して呼ばれることが多く、「鳶・鉄筋・型枠」を指すことが多いが、「土工・鉄筋・型枠」や「鳶・鉄筋・大工」など現場によってその編成が若干異なる。
沓ずりくつずりドアの下部の床面に付く部材のこと。気密性・水密性・防音性の向上や、ドアを境に切り替わる床仕上げの見切りとしての役割を持つ。屋内では主に木製、屋外など土足エリアでは金属製のものが多い。
クライアントクライアント英語「client」で、顧客の意味。現場では、施主(建築主)や、建物のエンドユーザ(マンション住人やオフィスビル入居企業)を指して使う。
クライミングクライミング工事の進捗に合わせ、タワークレーンの据付け位置や、ロングスパンエレベーターの軌道などを上層に向かって延ばすこと。
グラウンドアンカー工法グラウンドアンカーこうほう山留め壁の支持工法のひとつ。鋼材を岩盤に固定し、その緊張力で山留め壁を保持する。不安定な場所や、幅広な場所の掘削等で、通常の切梁が設置できない場合に有効。別称として、「地盤アンカー工法」、「アースアンカー工法」、そして単に「アンカー工法」と呼ばれることもある。
グラスファイバーテープグラスファイバーテープガラス繊維から粗い目で織られたテープ。強度や寸法安定性に優れ、主に塗装・クロス下地ボードのジョイント部のパテがけに用いられる。粗い目にパテがなじんで一体化することで、不陸(凹凸)軽減とクラック防止の効果を持つ。略して「ファイバーテープ」とも言われるほか、「寒冷紗」と呼ばれることもある。
クラッククラック亀裂、ひび割れのこと。地震や地盤沈下による建物の変位、部材の乾燥収縮など、さまざまな原因で発生する。
クラムシェルクラムシェルクラムシェルバケットおよびそれを装着した掘削重機の略称。クラムシェル(clamshell)は英語で二枚貝の意味。ワイヤロープや伸縮アームで吊られたバケットを、二枚貝のように開閉し、土砂をつかみ取って掘削する。主に掘削深さが40m程度までの軟弱地盤に用いられる。
クランプクランプ①万力やクリップなど、挟んだり締め付けたりすることで対象物を固定する工具・金具の総称。
②単管の緊結に使う金具。
クリアランスクリアランス寸法に持たせる適度な余裕のこと。寸法の誤差や、変化(振動や温度・湿度による伸縮など)を吸収させるために設ける。「空き」・「遊び」・「逃げ」も同意。
グリーン購入法グリーンこうにゅうほう「国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律」の通称。
公的機関が率先して環境負荷を抑える製品・サービスの利用や情報提供を行い、需要の転換を図っていくことで、持続的発展が可能な社会を目指す法律。各分野で取り組み品目が挙げられており、建設分野でもリサイクル材を使用した製品や、廃棄物の少ない工法などが指定されている。
クリーンルームクリーンルーム空気をはじめとする室内環境の清浄度が確保された部屋のこと。空気中に浮遊する微粒子・微生物の量、水や使用材などの清浄度、必要に応じて温度・湿度・圧力などが管理される。工場・研究施設・病院などに設けられることが多い。
クリッパクリッパ「ボルトクリッパ」・「ボルトカッター」の通称で、番線や電線など、径の太い金属線の切断に用いる大型のハサミ状の工具。一般に、てこの原理を2重に使うことで、ハンドルに加える力を増大して刃に伝え、硬い金属線を切断する。
グリッパー工法グリッパーこうほうロールカーペットの工法のひとつ。フェルトや発泡シートなどの下地材を敷いた周囲に、金属のトゲが並んだ板材「グリッパー」を据え付け、ニーキッカーという工具でカーペットを張り伸ばしながらグリッパーに引っかけて敷き込む。接着剤を使わないのが特徴。下地材によってクッション性が上がり、快適な歩き心地が得られる。
クリップクリップ①対象物を挟み込んで固定する工具の総称。
②軽鉄天井下地を構成するパーツのひとつ。野縁受け(親骨・チャンネル)に野縁(Mバー)を緊結するための金具。Mバーのサイズに合わせて、Sクリップ(シングルクリップ)とWクリップ(ダブルクリップ)がある。
③ワイヤーを緊結する金具「ワイヤークリップ」の略称。
クリティカルパスクリティカルパス工程管理において、全体工期を守るために遅らせてはならない作業の組合せのこと。工程上の全作業を洗い出し、それぞれの所要時間と関連性をたどると、“前が終わらないと開始できない作業”の組合せが出てくる。組合せの中で、合計所要時間の最も長くなるものがクリティカルパスとなる。クリティカルパス上の作業を優先し、円滑に進行させることが工程管理の上で重要となる。
作業の組合せが、工程管理表の中でスタート(着工)からゴール(竣工)までの経路として見えることから、「重大な経路」を意味するクリティカルパス(critical path)の名で呼ばれる。
クリンプ金網クリンプかなあみクリンプ(crimp)は「波形をつける」の意味で、その名の通り波形をつけた金属線を編んで作られる金網。波形によって縦横の金属線が噛み合うため、網目がずれにくい。ステンレス・鉄(亜鉛めっき)・真鍮など、様々な材質がある。
グレアグレア視界における明るさのアンバランスにより、見えづらさや不快を感じるような現象。または、そのような感覚を生じさせる「まぶしさ」のこと。光源の強さ、光源と周囲との明るさの差、光源の方向など、原因はさまざま。採用する照明器具の構造や、配置によって回避することが望ましい。
クレータークレーターアーク溶接のビードの終端にできるくぼみのこと。
グレーチンググレーチング屋外の排水溝の蓋(ふた)などに使われる、格子状の金物のこと。素材は鉄(亜鉛めっき)・ステンレス・アルミニウムなど。近年はFRP(繊維強化プラスチック)製のものもあり、大きな荷重がかからない代わりに耐久性・耐食性・意匠性の求められる用途で利用されている。
クレセントクレセント引き違いサッシュなどの室内側に取り付けられる締め金具のこと。回転させる金具の形から三日月を意味するクレセント(crescent)の名が付いている。もともとは、締めつけることにより気密性や水密性を高めるためのもので、錠前としての機能は低い。ただし、近年は鍵付きなど防犯性も高めた製品も出ている。
グレモン錠/
クレモン錠
グレモンじょう/
クレモンじょう
操作部分に加え、周囲の枠に向かってロッドで結んだ留め具を突き出し、ロックするタイプの錠前のこと。複数箇所で留めるため強固であり、気密性・水密性・防音性を求める建具類にも利用される。
クローラークレーンクローラークレーンいわゆるキャタピラ式の自走式クレーン。軟弱な地盤や、舗装されていない場所での作業に適している。走行速度が遅く、ナンバー取得できないことから公道は自走できないため、現場間の移動はトレーラー等で運ぶ必要がある。
クロスクロス「壁紙」とも呼ばれ、壁や天井の内装仕上げに用いられるシート材。素材は布・紙・ビニール(合成樹脂)だが、現場で単にクロスと呼ぶ場合はほぼ「ビニールクロス」のことを指し、それ以外は「布クロス」・「和紙クロス」などと素材を付けて表現する。ビニールクロスが重宝される理由は、色・柄が豊富で、コストパフォーマンスにも優れるため。近年は加工技術の進歩により、布・紙・土壁など様々な質感をビニールクロスで表現できるようになっている。
いわゆるDIYで一般ユーザが扱うクロスは裏面にあらかじめ接着剤の付いた「糊つき」タイプが多いが、専門の職人が扱うクロスは接着剤を現場で塗ってから張る「糊なし」タイプがほとんどを占める。
クローゼットクローゼット室内の収納スペースのことで、主に洋室に設けるものを指す。別な表現として和室に準じた「押入れ」もあるが、クローゼットと呼ぶ場合は特に衣類の収納を意図することが多い。
サイズが小部屋レベルまで大きく、人の出入りを前提としたものは、「ウォークイン・クローゼット」と呼ばれる。
蹴上げけあげ階段一段の垂直方向の面のこと、またはその高さ。
面を指す場合は、「蹴込み(けこみ)」とも呼ばれる。
ケイカル板/
珪酸カルシウム板
ケイカルばん/
けいさんカルシウムばん
「繊維強化セメント板」の一種で、珪酸質原料・石灰質原料・補強繊維を主原料とするボード材。軽量で、耐火性・断熱性に優れるのが特徴。仕上げ材として使われる「タイプ2(一種)」と、耐火被覆材として使われる「タイプ3(二種)」に大きく分類される。
珪藻土けいそうど珪藻という藻の殻が化石化した土で、左官工事で仕上げに使われる土壁材のひとつ。粒子の表面に小さな穴がたくさんあいており、調湿・消臭・断熱など室内を快適にする効果を持つ。シックハウスが問題化する中で、自然素材としての魅力や、仕上がりの独特な風合いが支持され、近年人気が高まっている。耐火・電気絶縁などの特性も持つことから、土壁材の他にも土壌改良材や断熱レンガなどとして利用されている。
軽鉄/
軽天
けいてつ/
けいてん
軽量鉄骨の略。本来は厚さ6mm未満の鋼材の総称だが、現場では主に乾式工法の天井・壁で用いる鋼製下地材を指す。木製の下地材に比べて、品質的なバラツキや乾燥収縮などによる変形が少なく、不燃材のため耐火壁にも使用できる。主要部材は亜鉛めっきが施され、錆び防止も考慮されている。
「LGS」(Light Gauge Steel の略)とも言い、天井から普及したためか「軽天」とも呼ばれる。
経年劣化けいねんれっか年月の経過に従って品質や性能が低下すること。
軽量形鋼けいりょうかたこう
軽量骨材けいりょうこつざい
軽量コンクリートけいりょうコンクリート軽量骨材を使うことで軽量化されたコンクリート。普通コンクリートに比べて強度的にはやや劣る点があるものの、15~30%ほど軽く断熱性に優れるため、建物の重量軽減や省エネに役立つ。鉄骨造の建物の床スラブに使われることが多い。
広い意味では、気泡を混入することで軽量化させた「気泡コンクリート(発泡コンクリート)」を軽量コンクリートに含めることもある。
ケーシングケーシング①「ケーシングチューブ」の略称。場所打ちコンクリート杭などの工事で、掘削穴の内部の崩壊を防ぐため、穴の全体または上部に入れる鋼管のこと。
②「ケーシング枠」の略称。屋内向けのドアや窓の枠の一種で、本来の枠の上にフレームを一層加えたタイプのもの。フレームによって枠が二段になり重厚感が出る。フレーム部分は壁面との取合部の調整にも役立ち、また模様などで様々な意匠性を持たせることもできる。
対義語として、本来の枠をそのまま仕上げとする標準的なタイプを「固定枠」と呼ぶ。
ケースハンドルケースハンドルドア用のハンドルの一種。使用時以外は、取っ手がくぼみ部分にたたまれて出っ張らないようになっている円形のハンドル。
ケーブルラックケーブルラック電気や通信関係の各種ケーブル類を整理して載せるためのラック。大量のケーブルを敷設するのに適している。
蹴込みけこみ階段一段の垂直方向の面のこと。「蹴上げ(けあげ)」とも呼ばれる。
化粧けしょうあらかじめデザインや表面強度など必要な加工が施され、そのまま仕上面として使えること。
化粧ケイカルけしょうケイカル「化粧珪酸カルシウム板」の略称。珪酸カルシウム板に樹脂塗料などで表面加工を施し、そのまま仕上げ面として使えるようにしてあるもの。表面強度が高く、耐水性・防汚性に優れることから、キッチンやトイレといった水廻りによく使われる。「カラーケイカル」とも言われる。
化粧フレキけしょうフレキ「化粧フレキシブルボード」の略称。フレキシブルボードに樹脂塗料などで表面加工を施し、そのまま仕上げ面として使えるようにしてあるもの。「カラーフレキ」とも言われる。代表的な商品は、エーアンドエーマテリアル社の「ステンド#300」。
結束線けっそくせん鉄筋の緊結に用いる細い針金のこと。「番線」の一種である21番線(#21、0.8mm径)が一般的。手でも自由に曲がる柔軟性と、簡単にほどけない結束力をバランス良く備えている。
結露けつろ温度差によって、空気中の水蒸気が冷やされ、水滴となって現れること。主に冬、エアコンで暖かい室内の空気中にある水蒸気が、外気によって温度の上がらない窓や壁面で冷やされ、水滴になる現象。カビやダニの繁殖につながったり、建物の腐食の原因となるため、断熱材・調湿材・換気設備などによって軽減を図ることが望ましい。
ケツに火が付くケツにひがつく納期などのリミットが迫り、焦った状態のこと。「尻に火が付く」とも言う。
ケツをまくるケツをまくる急に物腰を変えて、威嚇するような態度に出ること。居直ること。乱雑に着物の裾をまくって座り込む様子に由来する言葉と言われる。「尻をまくる」とも言う。
ケツを割るケツをわる約束した仕事を途中で投げ出し、逃げること。「尻を割る」とも言う。
ケブラー手袋ケブラーてぶくろ強度の高い合成繊維であるアラミドを使用した手袋で、「アラミド手袋」とも呼ばれる。ケブラー(Kevlar)はデュポン社の商品名。カッターなどによる切創事故の防止に有効とされる。
ケミカルアンカーケミカルアンカーアンカーボルトの一種で、接着剤によってボルトや鉄筋を固定するもの。「ケミカルアンカー」は日本デコラックス社の商品名であり、公式名称は「接着系アンカー」。その他、「樹脂アンカー」といった通称もある。
コンクリートや岩盤面にドリルで穴を開け、粉塵を清掃した後、カプセル状のケミカルアンカーを穴に入れ、先端を斜めに切ったボルトや鉄筋を打ち込むとカプセルが破れて接着剤が充填される仕組み。なお、接着剤をノズルで直接注入する方式もある。
けれんけれん施工面で邪魔となる汚れや付着物を削り取って、平滑に整えること。少量であればスクレイパー(けれん棒)と呼ばれるヘラ状の工具を用いて手作業で行うが、特に広範囲を磨き上げる場合は電動式のケレン機(はつり機)やポリッシャーを用いる。
減水剤げんすいざいコンクリート用の混和剤の一種。流動性を保ちながら水量を減らすことができるため、強度を低下させずにワーカビリティを向上させる効果がある。
セメント粒子の表面に負の電荷を与え、粒子同士を反発で分散させることにより流動性を高める。
建設業法けんせつぎょうほう建設に関わる法律のひとつ。建設業者の資質向上や、工事請負契約の適正化等を図ることで、適正な施工、発注者の保護、建設業の健全な発達を目指すもの。
主な内容として、建設業者の許可条件、工事請負契約の適正化や紛争処理、施工技術の確保、建設業者の経営関連の審査等などが定められている。
建設マスター制度けんせつマスターせいど建設現場で工事に直接従事している技能者から、特に優秀な技能・技術を持ち、後進の指導・育成等に多大な貢献をしている人物を、国土交通大臣が表彰する制度。正式名称は「優秀施工者国土交通大臣顕彰」。
建設リサイクル法けんせつリサイクルほう「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律」の通称。木材・コンクリート・アスファルト・金属など特定の建設資材について、分別解体・廃棄量抑制・再資源化などを促進する内容となっている。
建専連/
建設産業専門団体連合会
けんせんれん/
けんせつさんぎょうせんもんだんたいれんごうかい
専門工事業者で構成される業界団体。様々な業種の専門工事業者団体がさらに集まったもので、共通課題の解決を目的として、調査研究・行政などとの意見交換・経営革新支援などの活動を行っている。
建築確認申請けんちくかくにんしんせい建設予定の建物が建築基準等の法規定に適合するかどうかについて、建築主事または民間の指定確認検査機関の確認を受けるための申請のこと。敷地・構造・設備など。この確認審査を通過し、確認済証の交付を受けなければ、着工することができない。
新築に限らず、一定規模以上の増改築・移転・用途変更・修繕にも必要で、大部分の建築物が対象になる。
建築基準法けんちくきじゅんほう建設に関わる法律のひとつ。国民の生命・健康・財産の保護のため、建物の敷地・設備・構造・用途に関する最低基準を定めたもの。この法律の下に「建築基準法施行令」・「建築基準法施行規則」・「建築基準法関係告示」が定められており、より具体的な内容が示されている。
◆「建築基準法」:根幹となる方針
◆「施行令」:方針を実現するための具体的な方法
◆「施行規則」:上記の実施に必要となる設計図書や事務書式の規定
◆「告示」:技術革新等による変化に対応するための補完規定
建築士けんちくし建築士法によって規定され、建物の設計や工事監理などを行う国家資格。対象とする建物の規模・種類に応じて、「一級建築士」・「二級建築士」・「木造建築士」に分かれている。また、一級建築士の上位資格として、一定規模以上の建物に必須となる「構造設計一級建築士」・「設備設計一級建築士」がある。
建築主事けんちくしゅじ建築基準法に基づき、建築に関わる審査や確認業務を行うため地方公共団体に置かれている公務員。建築基準適合判定資格者検定に合格し、国土交通省に登録されている等の基準で選ばれ、市町村長または都道府県知事によって任命される。都道府県および人口25万人以上の市には設置が義務づけられている。
建築施工管理技士けんちくせこうかんりぎし施工管理技士のうち、「建築」の分野にあたるもの。建築業振興基金が主催する施工管理技術検定に合格すると、資格として認定される。
1級・2級があり、2級はさらに「建築」・「躯体」・「仕上げ」に分かれ、自らが関わる工種に合うものを受験する。1級では、全ての工種に関わる知識を網羅し、より総合的で深い理解が求められる。
建築主けんちくぬし建物の発注者のこと。「発注者」・「施主」とも呼ばれる。
建築面積けんちくめんせき建物を真上から見たときの水平投影面積のこと。ただし、軒など外壁から突き出た構造部は、その先端から1m外壁側に後退した部分までが含まれる。
現調げんちょう現地調査の略。施工対象となる現地まで実際に行って下見し、状況を調査・確認すること。現場に合う工法を考えたり、工程の進み具合を見て乗り込みタイミングを調整したり、部材準備のために実寸を測定したりするなど、さまざまな意義を持つ。
倹飩式けんどんしき戸やフタの開閉方式のひとつ。枠の上下に設けた溝に、はめこんだり、はずしたりする構造を指す。閉める時は、戸やフタを上の溝にセットし、持ち上げたまま下側の溝に合わせてから下ろし、はめこむ。開ける時は、逆の手順で、戸やフタをはずす。
玄能/
玄翁
げんのう金槌(かなづち)の一種。頭部が両側とも尖っていない両口タイプが多い。一見すると左右対称だが、片側は平面で、鑿(のみ)や釘を打つのに使い、反対側は「木殺し面」と呼ばれる凸曲面で、木を叩いて一時的に圧縮する「木殺し」に使ったり、釘打ちの最後に周囲を傷つけず釘だけを狙って打込むのに使ったりする。名称は、大きな金槌で妖怪を打ち破った玄翁和尚(げんのうおしょう)の伝説に由来すると言われる。
現場打ちコンクリートげんばうちコンンクリート現場で生コンを成形して作り上げるコンクリートのこと。コンクリートを型枠などに流し込んで固める作業を「コンクリートを打ち込む」と表現するが、それを現場ごとに行うことから、この呼び名がある。「場所打ちコンクリート」とも言う。
対義語は、工場であらかじめ固められた状態で出荷され、現場で組み立てて用いる「プレキャストコンクリート」(PC)。
現場発泡ウレタンげんばはっぽうウレタン硬質ウレタンフォームを現場で吹き付ける作業のこと。専用の発泡機械を用いて、原液をスプレーガンで躯体などの対象物にスプレーすると、そのまま接着しながら瞬時に発泡硬化する。複雑な形状にも対応でき、継ぎ目のない断熱面を形成できるのが特長。スプレー作業中は、同エリアでの他の作業は原則不可。工場で成形されるウレタン材との対比で、「ウレタン吹付け」とも呼ばれる。
建蔽率けんぺいりつ敷地面積に対する建築面積の割合のこと。地域によって制限数値が異なるため、建物の設計にあたって確認が必要。
建蔽率(%) = 建築面積 ÷ 敷地面積 × 100
コアコアビル内で、エレベーター・階段・トイレなどの共同設備が集中的に配置されている場所のこと。人の往来や配管のためにフロアをまたがる空間を、各階の同じ位置に集めて直線的につなぐことにより、利便性やメンテナンス性を向上させている。
コア抜きコアぬき完成後の躯体面に、穴を開け、貫通させること。コアドリル、コアカッターと呼ばれる専用工具が用いられ、円筒形で滑らかな表面の穴が開く。
主に、配管・配線の開口を増設するためや、検査でコンクリートからテストピースを抜き取るために行われる。ただし、前者については、コンクリート打設前にスリーブを仕込んで開口を設けるのが本来の姿であり、内部の鉄筋切断による強度低下のリスクもあり、好ましいことではない。利用シーンは、スリーブ不備や改修時など、やむを得ない場合に限られる。
コインシデンス効果コインシデンスこうかガラスや石膏ボードなどの板状材料において、特定の周波数の音に対し、遮音性能が大幅に低下すること。材料の屈曲振動と音の振動が一致し、共振状態を起こすことによって発生する。名称は、英語で「一致すること」を意味する単語「coincidence」に由来。
該当する周波数は材質や厚みによってことなるため、異なる材質・厚みの材料を組み合わせることで遮音性能の低下を軽減できる。
高架水槽方式/
高架タンク方式
こうかすいそうほうしき/
こうかタンクほうしき
建物の給水方式のひとつ。元の水道からの水を地上の受水タンクに貯め、ポンプで建物屋上の高架タンクまで汲み上げた後、重力で建物内の各所に給水するもの。中高層クラスのビルやマンションなどで多く使われている。
鋼管矢板工法こうかんやいたこうほう山留めの工法のひとつ。側面に継手を持つ鋼管をつなげて山留め壁を形成するもの。鋼矢板工法と似た仕組みだが、強度と止水性がより優れており発展版と言える。特に鋼管内にコンクリートを充填することで、さらに向上が図れる。性質上、コストは比較的高く、比較的大規模・大深度の工事に採用される。幅広い地盤に対応できるが、極めて固い地盤には不向き。
公共工事設計労務単価こうきょうこうじせっけいろうむたんか公共工事の積算に用いる労務単価。公共工事に従事する労働者の県別・職種別の労務単価で、農林水産省及び国土交通省により毎年10月の調査結果をベースに算出される。
硬質石膏ボードこうしつせっこうボード芯材部分の比重を高め、強度を向上させた石膏ボード。衝撃を受けやすい箇所に使用される。
工事出来形こうじできがた工事全体のうち、出来あがった部分。
工事出来高こうじできだか工事の出来あがった部分(=出来形)に対応する請負代金のこと。
高車/
高所作業車
こうしゃ/
こうしょさぎょうしゃ
高所での作業のため、昇降する作業床を備えた車両・建設機械のこと。大きく分けて、作業床が垂直に昇降するシンプルな「垂直昇降式」と、ブームの先に付いた作業床で昇降動作などもできる「ブーム式」の2タイプがある。
現場での通称は「高車(こうしゃ)」。その他、「リフト車」とか、ブーム式のものは「ブーム車」とも呼ばれる。
10m未満の機種は「特別教育」、10m以上の機種は「技能講習」の高所作業車運転資格を必要とする。
工数こうすう作業量を数値的に示す表現。「工数(作業量)=人数×時間」として計算する。この時間は月・日・時間・分などがケースに合わせて使い分けられるが、工事現場の管理において「人数×日」の計算から単位を「人工」(=人日)として工数管理することが多い。
鋼製型枠こうせいかたわくコンクリート工事に用いる型枠の一種で、鋼材によって構成されるもの。強固で変形が少ないため、成形時の寸法精度が高い。木製の型枠に比べると部材コストは高いものの、再利用が効くことから、同じ形状のものを繰り返し作るような用途では有利となる。
合成スラブごうせいスラブデッキプレートやPC板(プレキャストコンクリート板)の上にコンクリートを打設し、一体化させて作るスラブで、躯体の床の形成に用いられる。デッキプレートやPC板が型枠の役割を果たし、鉄筋組みの負担も軽減されるため、工期短縮が図れる。また、型枠廃材が発生しないことから、環境に優しい点もメリット。
構造図こうぞうず設計図書のうち、建物の構造関係を表した図面。「意匠図」、「設備図」と区別する意味で使われる。各種伏図・断面図・詳細図などから構成され、柱・梁・壁・床など建物の場所ごとに部材や接合方法などの情報が記載される。
構造用合板/
構造用ベニヤ
こうぞうようごうはん/
こうぞうようごうばん/
こうぞうようベニヤ
合板の一種で、建物の構造耐力上主要な部分に用いる目的で作られたもの。主に木造建物の壁・床・屋根の下地材として用いられる。JAS(日本農林規格)によって、強度から1級・2級に分けて規定されている。
構台こうだい主に地下の掘削工事向けに、重機を据えたり、トラック類を乗り入れたりできるようにした大型の仮設ステージのこと。「乗入れ構台」や「作業構台」と呼ばれるものの総称。
合板ごうはん/
ごうばん
薄く切り出した木材の単板を、タテ・ヨコ互い違いに重ねて張り合わせたボード材のこと。「ベニヤ板」とも呼ばれる。
JAS(日本農林規格)では、建具や家具などに広く使われる「普通合板」、建物の主要な構造部に使われる「構造用合板」、コンクリートの型枠に使われる「コンクリート型枠用合板」(通称「コンパネ」)、仕上げ材として使われる「化粧合板」などに分類され、耐水性や強度などが定められている。またその他にも、「難燃」・「防炎」・「防虫」といった性能が規定されている。
鋼矢板工法こうやいたこうほう山留めの工法のひとつ。鋼製の矢板(鋼矢板、シートパイル)をつなげて山留め壁を形成するもの。止水性を持つ山留め壁としては最も低コストとされる。軟弱地盤にも対応できる一方、極めて固い地盤には不向き。
高力ボルトこうりょくボルト鉄骨工事に用いる、高張力の鋼材でできた強度の高いボルト。高力ボルト・ナット・座金で1セットとなっている。「一次締め」→「マーキング」→「本締め」の手順で、二度締めする。
「マーキング」は、高力ボルト・ナット・座金・母材に一直線の印を付け、締め込み対象であるナット以外の部材に「とも回り」(空回り)が無いか確認するためのもの。ナットの印のみが当初位置よりずれることで、締め込みが正しく行われたものと判定できる。
高力ボルトは、普通ボルトと違って、部材の損傷・サビ・汚れなどがあると締め付けトルクへの影響などから正しい性能を発揮できない。そのため、施工直前まで開封せず、再使用もしないなど厳しい管理を必要とする。
高炉セメントこうろセメント混合セメントの一種。製鉄所から副産物として出るスラグの粉末を混合したもの。長期強度の増進が大きく、耐海水性や化学抵抗性に優れる。ダム・河川・港湾関係の工事に多く用いられる。
小運搬こうんぱん現場内で行う運搬作業のこと。上下移動に仮設エレベーターなど併用しながら、その多くは人手で行われる。
コーキングコーキング気密性や水密性の確保のため、部材の隙間や目地にペースト状の材料を充填(じゅうてん)すること。「シーリング」とも言う。
コードリールコードリール円筒形の大型リールを備えた、巻き取り式の延長コード。コードには被覆が丈夫なキャブタイヤが使われており、ハードな現場環境に対応しつつ、長い距離を結んで電源を供給することができる。屋外向けに防水タイプの製品もある。「電工ドラム」とも言う。
コーナービード/
コーナービート
コーナービード/
コーナービート
壁・柱・折上天井などの出隅部分を保護する補強材。L字型の断面をした薄手のバー材で、塩ビや金属でできており、接着剤や両面テープで出隅部分に貼り付ける。通常は、コーナービードの上からパテをかけ、クロスや塗装で見えないように仕上げる。お年寄り・子供向けの施設や、西洋式の建物では、角を丸めた「ブルノーズ」タイプのものも好まれる。
設計図書や見積明細などでは「コーナービート」と書かれていることが多い。
ゴーヘイゴーヘイ玉掛けで「上げる」を指示する合図。
英語の「go ahead」(進め)に由来。
コールドジョイントコールドジョイントコンクリート工事において、先に打ち込んだコンクリート層の硬化が始まってから次の層が打ち込まれることにより、両者が一体化せずに生じる継ぎ目を指す。構造上の欠陥となる場合がある。コンクリートの打設間隔をできるだけ短くすること、バイブレータ等で打ち継ぎ部分をなじませることによって防止が図れる。
子方こがた/
こかた
親方に付いて働く職人のこと。
小口こぐち①量や金額が少ないこと。
②長方形や棒状の部材で、短辺方向の面のこと。
③部材の切断面のこと。
小口タイル/
小口平タイル
こぐちタイル/
こぐちひらタイル
寸法が60×108mmのタイルのこと。標準的なレンガの小口部分のサイズ(60×100mm)とほぼ同じことから、この呼び名がある。
戸境壁こざかいかべマンションなどの共同住宅で各住戸の間を仕切る壁のこと。界壁を挟んで別々の住居という考え方のため、相応の耐火・防火性能や遮音性能を必要とする。「界壁」(かいへき)とも呼ばれる。
腰壁こしかべ壁の低い部分のこと。また、そこから転じて壁の低い部分を手前側にふかした二重壁を指すこともある(この場合は「ライニング」とも言う)。
概ね大人の腰の位置にあたる床から1m前後の高さが多い。傷・汚れの防止や、デザインのアクセントとして、腰壁部分のみ仕上げ材を変えることがある。
50二丁ごじゅうにちょう寸法が45×95mmのタイルのこと。45mmに目地幅を加えた50mm角のタイル2枚分であることからこの名が付く。寸法通りに「45二丁(よんごにちょう)」とも呼ばれる。モザイクタイルの一種で、マンションの外装などによく使われる。
コストオンコストオン工事の契約方式のひとつ。施主(建築主・発注者)が専門工事会社を指定して工事金額を取り決め、そこに管理費をプラスして元請会社(ゼネコン)と工事請負契約を締結するもの。専門工事会社は「分離発注」のように明確な工事金額と責任範囲の下に施工を行うことができ、なおかつ「一括発注」のように元請会社が建物全体の管理・調整を行うためトラブルのリスクも抑えられる。設備工事などサブコンの契約に多い。
小叩き仕上げこたたきしあげ石工事の仕上げ方法のひとつ。「びしゃん」で叩いた表面に、とがったハンマーや鑿(のみ)でさらに細かいピッチの刻み目をつけるもの。
骨材こつざいコンクリートの素材のうち、砂利(じゃり)や砂を指す。これら骨材とセメントと水を混ぜ合わせ、コンクリートが作られる。粒の大きさによって、粗骨材と細骨材に分類される。川や山から採掘される天然骨材の他、製鉄所から出る高炉スラグといった人工骨材がある。
鏝押えこておさえ硬化前のコンクリート面・モルタル面を、金鏝(かなごて)や木鏝(きごて)で整えること。
コマ付けこまづけウレタン吹付け面に軽鉄壁下地を組む場合、あらかじめ軽鉄の受けとしてコマ材(主にプラスチック製モクレンガ)を付けておく作業のこと。
ウレタン面には軽鉄の固定に必要な強度がなく、逆に軽鉄を先に組むと断熱のためのウレタン面が不連続になってしまう。そこで、最初にコマを付けておいて、次にウレタンを吹き、最後にコマに対して軽鉄を留め付ける。他の作業に先行して行うため、「先行コマ」・「先行コマ付け」とも言う。
ゴム床タイルゴムゆかタイルゴム製の床タイル。塩ビ系の床タイルに比べて、コストはやや高いものの、ソフトな弾力性と防滑性に優れる。
コンクリートコンクリートセメント・骨材(砂利や砂など)・水を練り混ぜ、硬化させて用いる建材。圧縮力に強い反面、引張り力に弱いため、鉄筋と組み合わせて引張り力を補う「鉄筋コンクリート」とすることが多い。硬化前のものは「生コン」や「フレッシュコンクリート」などと呼ばれる。
コンパネコンパネコンクリートパネルの略で、コンクリート工事の型枠用の合板のこと。また、そこから意味が転じて、現場では合板全般を指す呼び名として使われている。
コンプレッサーコンプレッサー空気を圧縮して送り出す装置。現場では、コンクリートはつりのブレーカー、耐火被覆吹き付けのスプレーガン、ボード張りのタッカー(ステープラー)などの動力源として使われる。
混和剤/
混和材/
混和材料
こんわざい/
こんわざいりょう
コンクリートに対して、施工性や性能の向上のために加えられる材料のこと。量が少なくコンクリートの配合計算で無視できるものを「混和剤」、量が多く配合計算で考慮すべきものを「混和材」、また両者を総称して「混和材料」と呼ばれる。
「混和剤」は、AE剤・減水剤・AE減水剤・流動化剤・促進剤・遅延剤・急結剤・発泡剤・防錆剤・防水剤など。
「混和材」は、高炉スラグ・シリカ・フライアッシュ・膨張材などがある。